マリナーズがイチローの功績を称えるセレモニーを開催

日本時間9月15日、マリナーズは本拠地T-モバイル・パークで行われたホワイトソックス戦の試合開始前に、今年3月に現役を引退したイチローに「フランチャイズ・アチーブメント・アウォード」を授与するセレモニーを行った。19年間のメジャー生活では、自分の発言を正しく理解してもらえるように通訳を介してコメントを発表していたイチローだが、この日はシアトルの野球ファンの前で、英語でのスピーチを行った。

イチローは、今年3月に東京ドームで行われたアスレチックスとの2連戦を最後に、ユニフォームを脱ぐ決断をした。「あの夜、東京で引退したとき、素晴らしいシアトルのファンがその場にいなかったので、不完全な気持ちになりました。今夜は、みなさんの何年にもわたるサポートに対して、感謝の気持ちを表したいと思います」と、シアトルのファンへの感謝を口にする機会を得たことを喜んだ。

「2001年に私がシアトルへ来たとき、日本から(メジャーリーグへ)来た野手は誰もいませんでした。みなさんが目にしたのは、27歳の、小さくて細い選手でした。みなさんが私を受け入れない理由はたくさんあったと思います。しかし、みなさんは私を受け入れてくれました」とメジャー挑戦当時を振り返ったイチロー。「それは、シアトルを離れたときや、シアトルに戻ってきたときも変わりませんでした。2018年にシアトルへ戻ってくるチャンスをいただけたことには本当に感謝しています。(戻ってきた)理由はファンのみなさんでした」とシアトルのファンへの想いを口にした。

マリナーズCEOのジョン・スタントンは、イチローを「2つの文化の架け橋」と呼ぶ。もちろん、2つの文化とは日本とアメリカのことだ。そして「イチロー、あなたをクーパーズタウンで見るのを楽しみにしているよ」と語り、イチローのアメリカ野球殿堂入りに期待を寄せた。今回のセレモニーには、マリナーズ出身の殿堂入り選手であるケン・グリフィーJr.とエドガー・マルティネスも出席。近い将来、イチローが彼らの仲間入りを果たす日は、必ずやってくるはずだ。

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