誘致6割超が反対「カジノ、そぐわない」 横浜で市民調査

IR誘致の賛否とその理由

 横浜市が進める、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に対し、横浜市民の63.85%が反対していることが14、15の両日に神奈川新聞社とJX通信社が合同で実施した市民意向調査で分かった。反対の理由で最も多かったのは「カジノが横浜のイメージにそぐわないから」だった。また市民の72.48%がその賛否を問うための住民投票を行うべき、と答えた。

 IR誘致を巡っては、林文子市長は長く「白紙」としてきたが、8月22日に一転、正式に誘致を表明。開会中の市会第3回定例会に関連費2億6千万円の一般会計補正予算案を提出した。さらに17日に開かれる市会政策・総務・財政委員会で、自民党を中心に賛成多数で可決される見通しだ。

 今回の調査で、多くの市民が反対していることが明らかになり、市民の意向をくみ取らず、誘致を進める市などに対し、市民の反発が予想される。

 調査では、誘致への賛否を尋ねた。その結果、「強く反対する」が最多の48.8%、「どちらかと言えば反対」が15.05%だった。一方、「強く賛成」は9.78%、「どちらかと言えば賛成」は15.92%で、「賛成」は計25.7%だった。

 賛成、反対ともその理由を聞いたところ、反対は「カジノが横浜のイメージにそぐわないから」が30.33%を占めた。横浜に愛着を持ち、IRに頼らないまちづくりを進めてほしいとの市民の考えがうかがえる。「治安の悪化が不安だから」(24.32%)、「他の政策を優先させるべきだから」(23.57%)、「ギャンブル依存症になる人が増えそうだから」(18.77%)が続いた。

 一方、賛成では「市の税収の増加が期待できるから」が最多の38.81%。次いで「経済効果が期待できるから」(32.84%)、「観光振興につながるから」(22.39%)、「市民がカジノを楽しめるから」(3.36%)だった。

 賛否について、10.45%が「どちらとも言えない」と回答。その理由を尋ねたところ、うち42.2%が「情報が足りず、判断できないから」を選んだ。

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