アカデミー賞を席巻した映画『ムーンライト』などを作り、ハリウッドで最も注目されているスタジオ「A24」の最新作の主人公は、中2の女の子! 自分たちの中学時代を覚えていますか? 友達関係に振り回されて、ニキビが無限にできる自分の顔にイライラして、肌が綺麗な学校のマドンナに軽い嫉妬を覚えて、隣のクラスの男の子とすれ違うだけでドキドキして、妙な自信だけはなぜかあって、親の言うことすべてがムカついて。思い出すだけでめちゃくちゃ恥ずかしい時代。私も最初に観たときは当時を思い出して直視できませんでした。
主人公のケイラは、まさにあの頃の私。一体どこから見つけてきたのかしら? と思うような、ちょっとぽっちゃりでニキビだらけのフツーの女の子。猫背で歩く彼女の素晴らしい演技に大笑いして、心がひりひりしてました。
確かに生まれた時からSNSがあって、YouTubeがある“ジェネレーションZ”時代かもしれないし、アメリカの中学の話だけれど、悩みは何も変わらない。映画の中で、ケイラが自信を持って配信をしているのを見てなんだかほっこりとした気持ちになったんです。私はYouTubeみたいな発信する媒体があるのってとても素敵だなって思いました。大切なのは周りの大人がバカにしちゃダメってことなんだなって。シングルファーザーと娘との関係も丁寧に描かれていてファミリー映画としても素晴らしい作品。辛い中学時代を過ごしている子供にもぜひ見せてあげるべき作品です。★★★★★(森田真帆)
脚本・監督:ボー・バーナム
出演:エルシー・フィッシャー、ジョシュ・ハミルトン、エミリー・ロビンソン
9月20日(金)から全国公開