「このまま天国行けない」 拉致問題解決へ国民大集会 東京

集会で横田めぐみさんの早期帰国を訴える母早紀江さん=東京都千代田区

 北朝鮮による拉致被害者の早期帰国を目指す国民大集会が16日、東京都内で開かれた。北朝鮮側が拉致を認めた日朝首脳会談から17日で17年。横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん(83)は「このまま天国には行けない。ひと目でいいから会って抱きしめてあげたい」と声を震わせた。

 新潟市の中学1年生だっためぐみさんの消息が途絶えてから42年。早紀江さんは「めぐみは54歳になって、まだ姿も声も何も見えない。こんな残酷なことが何も(解決され)ないまま天国に行きたくない」と吐露。父滋さん(86)も病床で会える日を待ち望んでいるとした上で、「ひと目会って『本当によく我慢したね』と声を掛けてあげたい」と一刻も早く対面できるよう政府に訴えた。

 拉致被害者の曽我ひとみさん(60)は「5人だけ帰ってきて申し訳ない」と述べ、母のミヨシさんをはじめ被害者全員の帰国が実現するまで拉致問題を伝え続けると誓った。

 安倍晋三首相は、小泉純一郎元首相による2002年の訪朝で5人帰国実現後の17年間を振り返り、「1人の被害者の奪還もなしえず、痛恨の極みだ」と陳謝。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との無条件会談に改めて意欲を示した。

 今年2回目の国民大集会には、救う会メンバーら千人が参加。安倍首相と菅義偉官房長官兼拉致問題担当相(衆院2区)をはじめ、拉致被害者を救出する知事の会会長の黒岩祐治知事、拉致問題地方議会全国協議会会長の松田良昭県議らが出席した。

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