石木「強制収用させない」 19日に一部明け渡し期限 反対地権者らデモ行進

建設反対を訴え街中を行進する集会参加者=川棚町内

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、同町内で16日、強制収用に反対する集会「どぎゃんかしゅうかい」(石木ダム建設に反対する川棚町民の会など主催)があり、地権者と支援者約250人が参加した。
 石木ダムを巡っては、県収用委員会が宅地を含む未買収地約12万平方メートルの明け渡しを求める裁決を出した。県と佐世保市が土地の権利を取得する時期を今月19日とし、同日を家屋など物件を含まない土地の、11月18日を物件を含む土地の明け渡し期限とした。期限までに応じなければ、県と同市は知事に行政代執行を請求でき、知事が対応を判断することになる。
 集会で、石木ダム対策弁護団の馬奈木昭雄団長が同事業と諫早湾干拓事業を比較し「どちらも一人一人の権利を時の権力が奪おうとしている」と批判。ダム建設について、北村誠吾地方創生担当相が14日に「誰かが犠牲、協力して役に立つことで世の中は成り立っている」などと発言したことに苦言を呈した。
 「石木ダム強制収用を許さない議員連盟」に名を連ねる立憲民主党の大河原雅子衆院議員は「収用を強行すれば汚点になる」と懸念を示した。
 参加者は「強制収用や行政代執行を行わせない」などとする宣言文を採択。集会後、「人のすみかを勝手に奪うな」などと訴えながら同町内をデモ行進した。

© 株式会社長崎新聞社