話と心に寄り添う 傾聴ボランティア10年 横須賀

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傾聴のこつを教える講座の様子=11日、横須賀市立総合福祉会館

 お年寄りの話し相手になる「傾聴ボランティア」に取り組む、神奈川県横須賀市のNPO法人が今春、発足10年を迎えた。60~70代の会員が1人暮らしや外出が困難な高齢者の元を訪ね、話に耳を傾けている。当初から担い手の確保にも努めており、傾聴のこつを教える養成講座も開講。同法人は「新たな人材を巻き込み、今後も取り組みを続けていきたい」と話している。

 在宅訪問型の傾聴ボランティアを行うNPO法人「ビーイング久里浜」は2009年3月、任意団体として設立した。現在、市内在住の男女30人が所属。70~80代のお年寄り57人の自宅に月1回、足を運び、1時間ほど話を聞いている。

 当初、活動エリアは久里浜・浦賀地区のみだったが、衣笠や大津地区まで広がった。講演会で自分たちの活動を紹介するなど、傾聴ボランティアの輪を広げる活動にも精力的に取り組んできた。こうした実績が評価され、今年3月、県の「ボランタリー活動奨励賞」に選ばれた。

 傾聴のこつを教える全5回の養成講座も2年に1度、開いている。

 相手を否定せずにありのままを受け止めることや、相手の感情を理解することの大切さを受講者に伝えるほか、高齢者施設で実践してもらうカリキュラムも取り入れている。受講した小沼杏子さん(42)=同市=は「話し手の心に寄り添うのが大切と分かった。学んだことを現場で生かしたい」と意気込む。

 傾聴ボランティアについて、同法人の前田房子理事長(75)は「お年寄りだけでなく、会員の生きがいにもなっている」と説く。会員の一人、田端小太郎さん(79)は「利用者に喜んでもらえるとうれしいし、戦時中の体験談など、人生の先輩との交流で心が豊かになる」とそのやりがいを説明する。

 今月上旬から始まった養成講座には、40~70代の男女12人が参加。修了後、会員として、高齢者施設や個人宅で活動を始める予定。