9月16日、女性ドライバーだけで争われるフォーミュラ選手権『Wシリーズ』の2020年シーズンに向けた選考テストが、スペインのアルメリア・サーキットでスタートした。選考には14名のドライバーが参加しており、そのなかには日本人ドライバーの猪爪杏奈も含まれている。
2019年シーズンにスタートしたWシリーズは、上述のとおり女性ドライバーだけが参戦できるフォーミュラシリーズ。初年度は全6大会で争われ、イギリス出身のジェイミー・チャドウィックがチャンピオンに輝いた。
また初年度のWシリーズには唯一の日本人ドライバーとして小山美姫が参戦し、シリーズランキング7位を獲得している。
開催2年目の2020年シーズンに向けて、小山を含む初年度ランキング上位12名は自動的に参戦権が与えられており、残るシートを選考に参加した14名が争うことになる。
今回の選考テストに参加した14名は世界12カ国から集まった女性ドライバーたち。そのなかで唯一の日本人ドライバーとなる猪爪は2016年にレースデビューを果たし、2017年にはスーパー耐久へ参戦。2019年はJAF-F4選手権を主戦場としており、デビュー2戦目だった第5戦もてぎで2位表彰台を手にしている。
テストは16日から3日間、スペイン南部にあるアルメリア・サーキットで行われる。期間中はシミュレーターを使ったテストや、実戦で使われるタトゥースT-318での走行テストなどが行われる予定だ。
このテスト初日はベンチマークとなるタイムを計測するために小山などもサーキットを訪れたほか、シリーズ側に招待を受けたF2ドライバーのタチアナ・カルデロンも姿を見せ、これまで自信が培ってきた経験を選考参加者に伝えたという。
初日の16日は高い気温と路面が汚れやすいコンディションが参加者たちを苦しめたが、レースディレクターを務めるデイブ・ライアンは「ドライバー選考テスト初日はかなりスムーズに推移した」としている。
「参加者はシングルシーターでの経験が豊富なものばかりだから、ドライバーたちは落ち着き払ってタトゥースT-318をドライブする任務をこなしていった。これは予想どおりのことだけどね」
「我々はファステストラップよりも、セッション中にどれだけ学び、改善できているかいった要素をチェックしている。今日の天候は快晴で暑く、風も吹いていたため、ライン上にダストが多かった」
「マシンやコースに慣れるまでにスピンしてしまうドライバーもいたが、これも予想どおりの出来事だったよ」