年収400万円で年100万貯める“スゴイ人”の節約術、どこまでマネする覚悟あり?

年間500件以上家計相談をしているファイナンシャルプランナーの稲村です。プロとして自分なりに節約をしているのですが、年収400万円ほどでも1年に100万円以上貯めていたり、1000万円以上貯蓄残高があったりする、「これはスゴイな」と思わされる「節約の達人」に出会うことがあります。

休みで外食やレジャーで散財して貯蓄が減っていませんか? 年末に向けてしっかり節約したいと思っている人も多いのではないのでしょうか。 あまりにも極端な節約術は無理!と敬遠してしまうかもしれませんが、これはできる!と思えたら試してみてください。できそうな節約術から極端と感じるかもしれない節約術の小ネタを5つ紹介します。


年収400万円の手取りってどれくらい?

年収は源泉徴収票でいうと左上に書かれている一番多い金額、つまり「額面」のこと。社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料・雇用保険)や税金(所得税・住民税)が引かれる前の金額です。

たとえば、月額25万円の給料と年間計4ヵ月分のボーナス50万円が夏・冬の2回出れば、それで年収400万円になります。その「額面」から社会保険料などを差し引くとおおよそ手取り月収20万円、手取りボーナス40万円ほどです。

つまり、そこから年間100万円貯めるのであれば、月々2万5000円とボーナス35万円ずつ貯めることになります。残りの17万5000円で生活しボーナス5万円は使うというイメージです。

かなり倹約生活をしていそうですが、節約上手はイキイキ楽しそうな暮らしぶりをしている人が多い気がします。年収400万円の人の手取りがどれくらいかわかったところで、筆者がスゴイなと思った節約術を具体的に紹介していきましょう。

スゴイ節約術その1 平日有給消化で定期預金

やりくり上手は貯まったお金の「置き場所」にアンテナを立てています。

一般的な定期預金の金利は0.01%。100万円で1年間につく利子は税引き前でわずか100円なのですが、ボーナス時期になるとキャンペーンで金利が0.2%等にアップする定期預金や、懸賞付き定期預金(地方銀行や信用金庫が地元の特産品を抽選でプレゼントする定期預金)が発売されることがあります。

この情報にアンテナを張り巡らせ、満期になった定期預金を別の金融機関に預け替えしている達人がいました。

ネット銀行以外は平日しか窓口が空いていないので使う機会が少ない有給休暇を取得してこの作業をするとのこと。新規で口座開設するとラップやティッシュなどのノベルティがもらえるのも魅力です。

あまりにも多くの金融機関に分けてしまうと資産管理が面倒になるので実際に預けるのは5つの金融機関まで、などと自分なりのルールを作っていることもちゃんと管理が行き届いていると感じます。

たくさんの金融機関の職員と触れ合うなかでiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)や投資信託などのことも質問。勉強せずとも金融の知識が深まったともおっしゃっていました。有給休暇を使い仕事にもメリハリをつけ、タダで金融知識を習得しながら、ちょっとお得な金利のところに預け入れる。そのこと自体を楽しんでいらっしゃるのが印象的でした。

スゴイ節約術その2 テレビがない生活

今どき本当に?と驚いたのが、NHK受信料を払わず電気代を節約するためにテレビを持たない生活をしている方でした。

家にいるときはラジオかパソコンで見るYouTube。レンタルDVDもパソコンで観るという徹底ぶりです。

しかしご本人はケチケチしている気持ちはなく、どのテレビ番組を観なくちゃというルーティンから解放されて自分のペースで自宅の時間を過ごせることが気に入っているとのこと。今住んでいる賃貸マンションへの引っ越しをきっかけにテレビを捨て、無料Wi-Fiつきの物件を選んだことで通信費(NHK受信料、パソコンプロバイダー料金)が節約できたそうです。

固定費の見直しはその後ずっと続く節約になりますので、思い切った見直しは生活自体を見直すきっかけにもなりそうです。

スゴイ節約術その3 保険に入るより普段の食事にお金をかける

家計相談をしていると内容は把握していなくても何か保険に加入している人がほとんどですが、まれにまったく保険に入っていない方もいます。その場合、家計自体もあまり意識していないケースが多いのでそこからお話をスタートするのですが、この方は別でした。

普段から旬の食材を取り入れた自炊がメイン(特にお取り寄せしたりオーガニックにこだわったりしているわけではありません)。

添加物の少ない季節に出回る食材を笑顔で食べることで病気になりにくくなるという考えで、保険に入ると「入院などを不安なことを考えるとマイナスな心になりそう」とのこと。健康に気をつけて、万一病気でも健康保険の高額療養費でまかなえる治療でと考えて保険に加入していません。

その方はシングルだったので死亡した時の保障は預貯金があるので不要とのこと。保険は預貯金でまかなえない不安を補うために加入すべきものではありますが、この考え方はスゴイなと思わされました。

スゴイ節約術その4 自宅のお風呂は使わない

水道代とガス代がかなり安いなと思ったその方は、自宅でお風呂に入ったことがほとんどないとのこと。自宅近くのスポーツジムに契約し、仕事が終わったら軽く走ってお風呂を済ませて帰宅するのが日課なのだそうです。

疲れているときは無理に運動せずお風呂だけ入って帰ることもあるそうで、ジムを銭湯がわりに使っているといえそうです。

続いているポイントはジムが自宅近くで土日でも行きやすいこと、そしてジムに行っても運動しなくていいというユルさがあることでしょう。

月に1万円ちょっとの会費でも、毎日のお風呂で使う電気・ガス・水道代を考えれば運動しなくても元はとれそうです。とはいえ、2日に1回はスタジオレッスンやトレーニングで汗を流しているそうです。

光熱費カットとともに自己研鑽を上手にしている例ですね。子どもが独立したら筆者も見習いたいと思った節約術です。

スゴイ節約術その5 思いっきりエコ生活

夏になると台所に立って料理するのが苦痛になり、火を使いたくないものです。そんな中、ガスを使う時間を大幅に減らすエコ生活をしている方がいました。

大きな鍋やペットボトルに水をいれそれを黒いゴミ袋で覆いベランダに放置。数時間置くとぬるま湯になっています。それを朝セットしておき、昼にそうめんなどを茹でる時にそのぬるま湯を使えばガスコンロにかける時間を大幅に減らすことができます。

また、エアコンをなるべく使わないように凍らせた2ℓのペットボトル水道水を扇風機の前に置いたり、濡れたタオルを首からかけたり、カーテンやすだれを使い窓からくる直射日光を避けたりと、夏のエコ生活のスゴさに驚かされました。

冬は窓に断熱シートを張るなど、まだ聞けていない工夫がたくさんありそうです。


これらの節約術で、劇的に家計が改善した、というわけではありません。これはできる、できないあると思いますが、節約の意識を持っている方はみなお金を大切に使う意識が高いといえます。お金をなんとなく使っているといつまでもお金は貯まりません。使い方をしっかり意識して、ガッチリ貯めてみてください。

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