【あなたは何しに?】元F1王者ジョディ・シェクターがモンツァでデモラン。当時の担当メカニックが集まる奇跡

 往年の名ドライバーが、F1イタリアGPが開催されていたモンツァでF1マシンを走らせた。そのドライバーは、1979年のチャンピオン、ジョディ・シェクターだ。

 シェクターがモンツァで走らせたF1マシンは、フェラーリ312T4だ。これはシェクターが1979年にタイトルを獲得したときにドライブしていたものだ(水平対向12気筒の独特のエキゾーストノートも当時のまま。正確には対応する左右のピストンが同方向に動く、いわゆる180度V型)。シェクターの後、フェラーリはミハエル・シューマッハーとキミ・ライコネンもタイトルを獲得しているが、フェラーリの地元イタリアGPで優勝し、かつタイトルを決定したのは、このシェクターの1979年が最後である。

ジョディ・シェクターが1979年にタイトルを獲得したマシン『フェラーリ312T4』
ジョディ・シェクターが1979年にタイトルを獲得したマシン『フェラーリ312T4』
水平対向12気筒の独特のエキゾーストノートも当時のまま。正確には対応する左右のピストンが同方向に動く、いわゆる180度V型

 今年はその記念すべき1979年のイタリアGPから40周年ということで、シェクターによるデモランが企画された。フェラーリの地元ということで、この312T4を用意したのはフェラーリかと思いきや、そうではない。じつはこの312T4の所有者は、シェクター自身なのである。なんでも、チャンピオンを獲得した直後にフェラーリから購入したものだという。しかも、シェクターは自宅があるイギリスのハンプシャーで毎年、この312T4を走らせるイベントを開催している。

 そのイベントで312T4をメンテナンスしているのは、1979年にフェラーリでシェクターのメカニックをしていた面々だ。つまり、今年のモンツァで開催されたイベントは、ドライバーもマシンも、そしてメカニックも当時と同じという奇跡のコラボレーションだった。

ジョディ・シェクターを担当したメカニックたち
ジョディ・シェクターが1979年にタイトルを獲得したマシン『フェラーリ312T4』

 モンツァでのデモランは金曜日、土曜日、そして日曜日と3回行われ、いずれも大反響。サインやインタビューを受けた後、テントに戻ってきたシェクターが真っ先に感謝し、称えたのはこの日のイベントのために駆けつけてくれたメカニックたちだった。

メカニックを讃えるジョディ・シェクター

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