唐津焼陶片せんべい、出張絵付け体験が人気

その場で仕上げ、土産に

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宿泊客に絵付けを指南する鶴丸修さん(右)=唐津市のホテル&リゾーツ佐賀唐津

 唐津焼の湯飲みの色合いと手触りをリアルに再現した「唐津焼陶片せんべい」が体験型の土産として人気を集めている。製造元の菓子卸会社若手社長が絵筆や乾燥機など道具一式を携え、ホテルやイベント会場に出張。絵付けを指南し、その場でせんべいに仕上げている。

 お盆明け、観光客や団体客でにぎわう東唐津のホテル&リゾーツ佐賀唐津のロビー。福岡市の一家4人が絵筆を握る。「センスが問われるね」と談笑しながら唐津焼の代表文様の千鳥など思い思いの図柄を描く。

 陶片せんべいは唐津市二タ子の菓子卸「鶴丸」の社長鶴丸修さん(47)が「新しい唐津の土産品を」と考案。十四代中里太郎右衛門さん(62)直々の指導を受け、昨年3月発売すると、「本物そっくり」「食べるのがもったいない」と反響を呼んだ。

 製造法は唐津産小麦を使った素焼きのせんべい生地に、釉薬(ゆうやく)代わりの竹炭で文様を描き、乾燥させる。生地と絵付け道具があれば、その場で描いて食器乾燥機で仕上げることができ、昨年秋、文化イベントでの出張講座に声が掛かった。

 実際の唐津焼の絵付け体験は焼成まで日数がかかるが、「これなら持ち帰ることができる」と好評で、値段も1枚600円と手頃。鶴丸さんは道具一式と食器乾燥機、袋詰め包装機を持って各地に出向くようになった。

 体験型プログラムに力を入れるホテルが増える中、「(当ホテルの)唐津ロマン大人旅というコンセプトにぴったり」とホテル&リゾーツ佐賀唐津の営業担当麻生有里子さん。9月から来年3月まで毎月第1、3金土曜の夕方以降、絵付け体験コーナーを常設することになった。

 本業の卸で取引先を回ることが中心の鶴丸さんは「お客さんと直接触れ合うことができ、唐津の伝統文化を紹介できるので楽しみ」と話す。絵柄のレパートリーも40種類に増え、「千鳥はMの字を太く描く感じで」と絵付けの指導も堂に入ってきた。

宿泊客に絵付けを指南する鶴丸修さん(右)=唐津市のホテル&リゾーツ佐賀唐津