RDF発電を終了 来年度中にも解体着手 爆発事故を経て17年 三重

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【発電の停止を確認する作業員ら=桑名市多度町で】

 三重県桑名市多度町のRDF(ごみ固形燃料)焼却発電施設が17日、発電を終了した。ごみを電力にする「夢の事業」は貯蔵庫が爆発して消防士が死亡した平成15年の事故などを経て、操業開始から17年で終わりを告げることに。県企業庁は来年度中にも施設の解体作業に着手したい考えだが、土地を所有する県は跡地の活用方法について「現段階では何も決まっていない」としている。

 この日午前11時ごろ、発電所の運転を受託している富士電機の作業員が、敷地内の監視室で制御盤のボタンを押して発電を停止させた。約3時間後には、貯蔵していた全ての固形燃料を燃焼したという。

 企業庁は2日間をかけてボイラーの熱を冷まし、ボイラーに使う薬品の撤去や焼却灰の清掃といった解体の準備作業に入る。年内にも中部電力への送電線を切り離し、発電所を廃止するという。

 鈴木英敬知事は同日のぶら下がり会見で「爆発事故で尊い命が奪われたことを風化させないよう、安全祈願は継続させる。全ての作業が安全にできるよう関係者に心して取り組んでもらいたい」と語った。

 事業終了後にまとめる総括については「人命が失われたことや参加市町の負担が増えたことを踏まえれば決して甘くはならない。自分ではない知事が決めたことかは関係なく、最後まで責任を持つ」と述べた。

 RDF発電所は循環型社会の構築や未利用エネルギーの有効活用を目的として平成14年12月に稼働したが、翌年8月に貯蔵庫が爆発し、消火作業に当たっていた桑名市消防本部の消防士2人が死亡した。

 事業を巡っては、志摩市や松阪市がRDFを搬入する市町でつくる運営協議会を脱退。残る5団体12市町は終了時期を令和2年度末としていたが、昨年の総会で今年9月中に前倒しすると決めていた。

■「夢の事業」とはかけ離れ■  RDF事業を振り返る上で特筆すべきは、消火作業に当たっていた桑名市消防本部の消防士2人が死亡した平成15年の爆発事故。「夢の事業」による悲劇を風化させず、教訓として生かせるかが問われる。

 「ドーンという大きな音と地響きがあった」と爆発の瞬間を振り返るのは、新政みえの三谷哲央県議。当時、貯蔵庫の火災を受けて現場を視察し、敷地内にある会議室で担当者から報告を受けていた。

 三谷県議がいた建物の窓ガラスが割れて粉々に。直径10メートルはある貯蔵庫のふたが吹き飛び、斜面に突き刺さっていた。爆発の直前まで、担当者から「安全」を強調した説明を受けていたという。

 一方、事故だけがRDFの問題ではなかった。県は構想当初、市町に「処理は無料」と説明したが、発電量が見通しより少なかったことなどから、稼働時から1トン当たり約3600円の処理委託料を徴収した。

 委託料は年々増加し、稼働から十年後の24年度は稼働当初の二倍以上に当たる7600円に。富士電機との契約が終了し、再び同社と契約を結んだ後は1万4100円にまで跳ね上がった。

 企業庁の財政面でも「夢の事業」とはかけ離れていた。構想当初は売電による一定の収益を見込んだが、事故を受けた安全対策や委託費の増加を受け、事業の累積赤字は昨年度までで約24億円に膨らんだ。

 RDFの焼却と発電は終わったが、企業庁の電気事業会計を巡る話題は尽きない。県はRDF事業を含む電気事業会計の清算金を、三重とこわか国体・とこわか大会の費用に充てる方針だ。

 ただ、この方針には、一部の議員などから「目的外使用だ」との指摘も上がっている。一方、財政難の中で国体を二年後に迎えるのも事実。清算金の活用に理解を得られるのかも問われることになる。