異色ツイートが人気 熊本タクシー、新規顧客や就職希望者も

©株式会社熊本日日新聞社

「毎日の仕事が楽しい」と話す熊本タクシーの三次幸介さん=熊本市
乗務員募集を呼び掛ける熊本タクシーのツイート。アニメ「ドラえもん」のジャイアン役の声優や米コミックの主人公の名前などがさりげなく紛れている

 熊本タクシー(熊本市中央区)のツイッターを活用した企業PRが意外な効果をもたらしている。利用者の声を聞き業務に生かすのが主な目的だったが、斬新な内容が受け、“新規顧客”や就職希望の若者も現れたという。

 同社がツイッターアカウントを開設したのは2012年。最も重視したのは、自社ツイッターの認知度を高めることで「会社への苦情を素早くキャッチし、素早く対応すること」だった。

 その一方で、サブカルチャーに興味がある若者もターゲットに設定。アニメや漫画通の社員が、アニメキャラクターのせりふを連想させるツイートも積極発信してきた。10代の若者に将来、タクシーを使ってもらうため“種まき”するという遠大な狙いだった。

 異色のツイートは全国的にも評判になり、フォロワー数は同業他社と桁違いの約2万6千人に成長。昨年は、ツイッター発信担当者の人気投票「#企業公式中の人[なかのひと]総選挙」で、同社担当者が1位に選ばれたほどだ。

 この間、「熊本タクシーに乗るため」に県外フォロワーが来熊したり、ツイッターを気に入ったことが“動機”という採用希望者まで現れたりした。

 採用希望者のうち2人は就職まで至った。その一人が玉名市の三次[みつぎ]幸介さん(27)。同社には約200人のドライバーがいるが、平均年齢は50代。入社時は「初めての平成生まれ」と歓迎されたという。県内業界でも“最若手”の一人だ。

 三次さんは県内の大学を卒業後、飲食店などに勤務。趣味の漫画やアニメがきっかけで同社ツイッターをフォローしていたが、そこで乗務員を募集しているのを知り、2017年9月に応募したという。

 全く未経験の業界だったが「企業公式ツイッターにしては“とんがっている”のが魅力だった。それを許容しているのだから、悪い会社ではないだろう」と感じたという。

 観光客向け貸し切りタクシーのハンドルも握る三次さん。「新たな観光スポットの発見、お客さんとの会話など、毎日楽しい」と、ツイッターが縁となった就職に満足そうな笑みを浮かべた。(和田毅)