旧島原藩日記など史料調査 市や大学など

旧島原藩に由来する史料の調書を作成する大学生ら=島原図書館

 島原市は、同市城内一丁目の島原図書館が保管している江戸時代の旧島原藩に由来する古文書や史料の調査を進めている。調査は2018年度から4年間。21年度に約8千点分の資料目録を発行する計画だ。
 市によると、島原図書館は旧島原藩が保管していた文学、歴史、風俗に関する書籍約1万点の「肥前島原松平文庫」を所蔵。同文庫の目録は1961年に発行した。ただ、旧藩士や旧商家などから寄贈・寄託された史料が年々増加し、多くは未整理の状態という。
 市は18年度に文化庁の補助を受け未整理史料の調査を開始。調査委員長は九州大の岩崎義則准教授が務めている。
 通算7回目の調査初日となった17日、同図書館では岩崎准教授や九大生ら13人が史料を調査した。20日までに藩政記録「旧島原藩日記」(市指定有形文化財)など計約900点の目録を作成する計画だ。
 今回の主要文献は霊丘神社(同市弁天町2丁目)保存の藩日記約700点。調査班は一点一点、タイトル、年代、作成者などを調書に記入した。
 これまでに調書約3千枚が完成した。市によると、目録ができれば資料検索が可能になり、研究への活用が見込まれる。岩崎准教授は「貴重な史料が多い。研究者らの学術的な検討につながる情報を公開したい」と話した。

© 株式会社長崎新聞社