カキ殻使って 水をきれいに 浄化の仕組み学び実験取り組む 大村・松原小

ペットボトルにカキ殻を詰める児童=大村市立松原小

 長崎県大村市松原本町の市立松原小(一瀬研吾校長、114人)の6年生23人が、カキ殻を使った水質浄化の実験に取り組んでいる。水が浄化される仕組みを学び、将来的には近くを流れる「よし川」の浄化につなげたい考えだ。
 大村湾の水質改善に取り組むNPO法人長崎海洋環境研究会と長崎大が連携して企画した。松原小は海洋学習に力を入れており、昨年度もカキ殻や炭を使った浄化実験に取り組んだが、今年はカキ殻の効果に絞って本格的に調べる。
 実験では、汚れた水をカキ殻が詰まったペットボトルに通して浄化する装置を使用。カキ殻は表面に多くの凹凸があるためゾウリムシなどの微生物がすみつきやすい。微生物が汚れの原因となる植物プランクトンなどを食べて浄化する仕組みだ。
 18日は同研究会の山中孝友理事長や長崎大の学生が松原小を訪れ、観察の目的や方法について説明。児童は大学生の指導を受け、ペットボトルにカキ殻を詰めたり、水質の測定法を学んだりした。年内まで週1回、水の測定を続けて変化を観察する。カキ殻にすみついた微生物の観察も予定しているという。
 山中理事長は「水がなぜ浄化されるのか実験を通して原理を学び、自分たちで検証して考える力を身に付けてほしい。大人になって水質改善に携わる子が出てくれば」と期待していた。
 遠藤大礎(ひろき)君(12)は「カキ殻で汚れた水がきれいになるなんてびっくり。頑張って観察したい」と興味深げだった。

カキ殻を使った浄化装置。左の水槽の汚れた水が、右上のカキ殻が詰められたペットボトルを通って浄化される

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