ダーツで世界挑む 10月にルーマニアでW杯

ダーツW杯にユース日本代表として出場、ミックスダブルスではペアを組む中村さん(右)と井出さん

◆「優勝狙う」葉山・高2/中村さん「ドキドキ」横須賀・小5/井出さん

 10月にルーマニアで開かれるダーツのワールドカップ(W杯)に、鹿島学園高校2年の中村周作さん(16)=葉山町=と、横須賀市立衣笠小学校5年の井出桃夏さん(11)=同市=が、ユース日本代表として出場する。前回のW杯にも出場した中村さんは「ユースは今回が最後。優勝を狙いたい」と意気込み、「出場は信じられない」と語る井出さんは初の海外遠征に「ドキドキしている」としつつ、大会を待ち望んでいる。

 W杯は2年に1度開催され、ルーマニア・クルージュナポカで10月7日から12日に開かれる今回は、世界54カ国・地域から計488選手が出場する。日本からは、17歳以下のユースを含む男女12人が代表に選ばれた。

 W杯では、最初の得点501点を減点し、相手より早く0点にする競技で争われ、男子、女子、ユースの各部門でシングルスと、ダブルス、男女混合のミックスダブルスが行われる。その結果は国別の順位にも反映される。

 中村さんは父親が横須賀市内でダーツバーを経営しており、幼い頃から競技に親しんできた。2年前に日本代表として国際大会に初めて出場。「海外では年齢や障害の有無に関係なく盛んで、上手だった。ダーツはゲームではなく、スポーツだと感じた」と中村さん。競技への熱が高まり、今は練習が1日8時間にも及ぶ日があるという。

 トップ選手同士では技術と経験に差はないといい、「プレッシャーがかかった場面でどれだけ狙った場所に投げられるかが勝負。優勝は当たり前、ぐらいの気持ちで臨みたい」と強い気持ちを前面に出す。

 井出さんも両親の影響で、物心がつく前からダーツを投げていた。井出さんは「勝てばうれしいし、負けると悔しいから、もう一回やりたい気持ちになる」と競技の魅力を語る。1年半ほど前からは元日本代表選手の指導を受けて腕を磨き、日本代表まで上り詰めた。

 ユース部門では、相手はほとんどが中高生。さらにボードの中心(ブル)は床から173センチと規定され、身長145センチの井出さんにとってはハンディになる。井出さんは「まずは的を外さないように投げ、ダブルスではペアに迷惑を掛けないようにしたい」と謙虚に答えた。

© 株式会社神奈川新聞社