<レスリング>【2019年世界選手権・特集】第5日・オリンピック内定選手・関係者の声(川井梨紗子、皆川博恵)

(2019年9月18日、カザフスタン・ヌルスルタン / 取材=布施鋼治・松本一葉)


撮影=保高幸子

 ■女子76㎏決勝進出・皆川博恵(クリナップ=決勝進出を決め東京オリンピック代表内定)「これまでのレスリング人生、いろいろあったけど、こうやってオリンピック内定を得ることができた。苦しいことにも耐えてきたので、よかったなと思います。父と夫には準決勝前にも上(客席)に行って勇気づけられ、心強い気持ちで試合に臨むことができました。

 夫は家事全般何でも得意。8月は私がほぼ家にいなかったけど、それでも家のことは全部やってくれました。私が練習で帰宅が遅い日には、ご飯を作って待っていてくれた。そういう助けがあって、こういう結果が得られた思います。(決勝進出したことについて)すごくうれしい。今まで(優勝した選手が)ウイニングランしているのが、すごくかっこいいと思っていました。自分も明日できるように頑張りたいと思います」


撮影=保高幸子

 ■女子57㎏級・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ=ナイジェリアの選手を破り決勝進出、オリンピック代表内定)「57kg級にエントリーした選手の中で、ナイジェリアの選手が一番くせがあるというか、日本人にない体格の選手なので、警戒はしていました。肌を合わせてみたら、やっぱりすごい勢いのある選手だった。でも、その中で攻めることができた自分は成長しているのかなと思います。

 (伊調)馨さんに勝ってオリンピックに出たかった。4年前の世界選手権(伊調と別の階級でオリンピックに挑んだ)を思い出しながらこの世界選手権に来た。4年後、こうやってできることに幸せを感じる。後悔する6分間にはしたくなかった。もう1試合あるので(おめでとうは)明日まで取っといてくれると、うれしいです。

 (応援に現地まで駆けつけてくれた)母の声は聞こえました。全日本の時にはいつも差し入れをくれるんですけど、こっちでもわざわざおにぎりを作ってくれ、早朝に私の部屋に届けてくれた。場所は違うけど(日本ではないけど)、気持ちはいつも通りの感じで試合に挑むことができました」


 ■川井梨紗子の母・初江さん「とりあえずホッとしました。出場枠獲得は代表としての責任だと思いますが、代表を自分でつかむことが重要です。ホッとしましたけど、ラスベガスの時(2015年)は、ホッとして決勝で負けてしまったので、気を引き締めて頑張ってほしい。

 (第1セッションのあと母のところへ来たが)準決勝の相手のナイジェリア選手のきょうの試合動画を一緒に見て、どんな選手かを話し合いました。闘ったことはないけど、前から知っていて、手足が長くて瞬発力とスピードのある選手。距離があるところからのタックルも速いので、そのタイミングを警戒しました。

 (去年12月からの9ヶ月間を振り返って)非常に濃い、いろんな思い、いろんな感情をいっぱい抱えたままマットに上がる娘を見るのは、親としてはしんどい部分はありましたけど、そこで一生懸命にぶれずに向き合い、一生懸命に闘ってここまで来られたのは、わが娘ながらよくやったな、と思います」

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