箱根ロープウェイ21日一部再開、4カ月ぶり 基準見直し

立ち入り規制が一部緩和された大涌谷

 箱根町は19日、箱根山(同町)の噴火警戒レベル2(火口周辺規制)への引き上げに伴う大涌谷園地への立ち入り規制について、基準を一部見直したと発表した。全線で運休している箱根ロープウェイは警戒区域外の一部区間で運行ができるようになり21日、約4カ月ぶりに再開する。名物の「黒たまご」も園地内での製造が許可され、業者が再開に向け準備。箱根では宿泊予約が落ち込むなど影響が出ていたが、ラグビーワールドカップ開幕で訪日客増も見込まれ、にぎわい復活に弾みが付きそうだ。

 町はレベル引き上げ以降、園地内の業者に対し施設の保守管理業務について例外的に1日原則約2時間の立ち入りを許可。今回の見直しで、作業に従事しない専属の火山監視員を配置することなどを条件に、箱根ロープウェイの運転に関わる業務と黒たまごを製造・販売する奥箱根観光の製造業務の許可を追加した。

 箱根山の火山活動は沈静化の兆しを見せているが、レベル1(活火山であることに留意)への引き下げには至っていない。町は見直しについて「(引き上げの)長期化に伴い、大涌谷観光に関する問い合わせや要望が多く寄せられている」とし、「関係機関と約2カ月協議し、作業員と観光客の安全確保に問題ないと判断した」と説明する。

 5月19日から全線運休している箱根ロープウェイは姥子-桃源台間(約1.3キロ)で営業運転を再開する。平日は午前9時45分~午後3時15分、土休日は午前9時45分~午後4時15分。同社の担当者は「一部だが営業できることは先が見えてきた。乗客の安全確保が一番重要だが、早く全線で再開し箱根観光を盛り上げたい」と話した。

 奥箱根観光は、約2キロ離れた臨時店舗「くろたまご館4」(同町仙石原)での黒たまご販売再開に向け準備を進める。

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