森きらら移設巡り 現在地整備は検討せず 佐世保市

 定例佐世保市議会(長崎県)は19日、常任委員会を続行。市は企業経済委員会で、九十九島動植物園(船越町、森きらら)の俵ケ浦半島への移設検討に関する経緯などを説明。荒天・酷暑の対策として打ち出している全天候型施設について、現在地での整備は検討していないことを明らかにした。
 森きららの現状や検討開始の経緯の説明を求める委員会の求めに対し、市観光商工部が議案外報告として示した。
 観光商工部によると、昨年3月には現在地で再整備する方向性をまとめた。しかし今年5月に朝長則男市長の指示を受け、全天候型施設としての移設検討に向け市企画部と合同で着手。俵ケ浦半島への移設で、閉園期間を最小限に抑えられることや国立公園の規制を受けずに運営ができるメリットがある一方、渋滞対策や公共交通機関の少なさなどの課題があることを説明した。
 委員らは、道路の整備に関係する部署との連携不足などを指摘。現在地での猛暑対策は検討しないのか質問したのに対し、中嶋康子観光課長は「具体的に今の場所に全天候型施設を造る検討はしていない」と答えた。
 森きららを巡って市は、施設の老朽化と猛暑や荒天時の集客確保に対応するために、俵ケ浦半島に整備予定の観光公園に移設が可能か検討を始めることを表明。6月議会で関連する調査費を含む本年度の一般会計補正予算案が可決された。

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