七尾、下落率最悪 駅前7.5%マイナス パトリア破綻で沈下

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 石川県内で最も地価の下落率が大きかったのは、能登の中心地であるJR七尾駅前の七尾市神明町だった。下落率は7・5%と前年の5・6%から拡大。人口減少に加え、駅前の商業施設「パトリア」破綻の影響もあり、かつて能登のにぎわいの象徴だった場所は地盤沈下が止まらない。地元からは「七尾は凋落(ちょうらく)するばかりだ」「駅前を歩く人はほとんど見ない」と懸念する声が出ている。

 「駅を利用するのは通学する高校生がほとんど。パトリアも無くなり、買い物に来ていたお年寄りはどこに行ったのだろうか」 七尾市中心部で生まれ育った神明町会長の西村邦夫さん(78)は、駅前の現状を嘆く。

 神明町は再開発ビルや居酒屋チェーン店、パチンコ店、営業所などが立ち並ぶ七尾の中心商業地域だ。

 その七尾駅前の地価は、減少の一途をたどる七尾市の人口のように毎年下がり続けている。地価は12万2千円をつけた2008年以降ダウンし、09~18年までの下落率は4・8~8・7%で推移。今年は6万2千円と、11年前のほぼ半額に沈んでいる。

 市中心部にある一本杉通り商店街で、1933(昭和8)年創業の北島屋茶店を営む北林昌之さん(79)は、パトリアの前身のユニー七尾店が開業した45年前を振り返り、「当時は大きな商業施設ができたと穴水や輪島から多くの人が訪れていた。レジが追い付かないほどだった」と語った。

 95年にユニー跡地にパトリアがオープンし、2006年に飲食店やフィットネスクラブなどが入るビル「ミナ・クル」が開業するなど再開発が進められた。

 県宅地建物取引業協会によると、七尾駅前の下落は、パトリアの後がどうなるか決まらず、期待感がしぼんだ結果、周辺の地価が下がっている可能性がある。金沢駅前では、まとまった土地や建物が空いても、「次への期待感」があることから地価は簡単に下がらないという。担当者は「七尾の現状を見ると、下がって当たり前。パトリアのテナントが確定したら上がるかもしれない」と推測した。