リールメンテナンスのプロが伝授!必ずすべきベイトリールの日常メンテナンス ベイトリールのメンテナンスはしていますか?じつは、メンテナンスをしているか否かで巻き心地と飛距離が大きく変わるんです。リールメンテナンスのプロが日常のベイトリールのメンテナンスを解説します。

メンテナンスで飛距離と巻き心地が変わる!

みなさんはベイトリールのメンテナンスをしているでしょうか? ベイトリールは簡単なメンテナンスで、巻き心地や飛距離が大きく変わります。

そこで今回は、ベイトリールの日常のメンテナンスを解説していきます。

メンテナンスの種類

リールメンテナンスの種類は大きく分けて2通り。予備知識として、どのようなものか把握しておきましょう。

①オーバーホール

ひとつ目は、オーバーホールです。これは、ボディを分解して洗浄、グリスアップをする本格的なメンテナンスです。

オーバーホールには知識と経験が必要とされるため、メーカーや専門業者にお願いするのがベター。年に1回程度するのがベストです。

②日常のメンテナンス

もうひとつが、今回ご紹介する日頃のメンテナンスです。特別な道具や技術は必要なく、誰でも簡単にすることができます。

簡単なメンテナンスですが、日常的に行うことでパーツの摩耗を減らし、リールの初期性能を長く維持させられます。

必ず知っておくべきメンテナンス知識

リールは精密な機械です。メンテナンスをする前に、最低限の知識は備えておきましょう。

メンテナンスしないと……

オイルは金属同士を守るクッションになっているため、オイルが切れてしまうと金属同士が直接擦れてしまい、巻き心地の悪化や飛距離の低下を引き起こします。

また、異音が出たまま放置していると、最悪の場合パーツ交換が必要に。そうなると、高額な費用が掛かるのは言うまでもありません。

メンテナンスの頻度は?

海で使用した場合は毎釣行後、淡水の場合は2~3釣行に1度の頻度が目安です。

「買ったばかりのリールだからメンテナンスは必要ないのでは?」と、思われる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、オイルは使う度に消耗するので、買った直後からメンテナンスをし続けることが長持ちの秘訣です!

たったこれだけ!釣行後のメンテナンス

洗浄・乾燥

海での釣行後や、淡水でも水が濁った場所で釣りをした後は水洗いをしましょう。

外側に付いている塩や砂ぼこりが落ちればいいので、ハンドルを回したりする必要はありません。必ず常温の水で洗ってください。

レベルワインダーウォームシャフトの清掃・注油

異物が入りやすい部分なので、ウォームシャフトを清掃すると巻き心地がかなり改善されます。

まずは、キッチンペーパーや綿棒で汚れたグリス・オイルを落としましょう。拭き取った後は、新しいオイルかグリスを塗布してください。

巻きの軽さを優先させたい場合はオイル、耐久性や防錆性を重視する場合はグリスがおすすめです。

メカニカルブレーキ内のベアリングへの注油

メカニカルブレーキノブ(キャスコン)の中にはベアリングが入っています。

開けるとこのようになっています。オイルを1滴か2滴挿してあげましょう。

サイドプレートを開けての注油

サイドプレート(パーミングカップ)を開けます。

※開け方はメーカーや機種によって異なります。また、カウンターリールなどは開けられない機種もあります。

すると、スプールを取り出すことができます。

サイドプレート側にはスプール軸を支えるベアリングがついているので、オイルを1滴か2滴挿します。

スプール軸の両端にもオイルを注油しましょう。

最後に、スプールのベアリングに注油すれば完了です!

本当にこれだけです!

日常のメンテナンスはここまででOKです。これ以上の分解が必要なオーバーホールはメーカーに任せるのがおすすめ。

最近のリールは高い組付け精度などが求められるので、変に自分でしようとすると、かえって調子が悪くなることもありますよ!

継続が大切!

最後になりますが、リールを長持ちさせるにはオイル選びも大切です。工業用オイルなどはリール内のゴムを侵す溶剤が入っていることが多く、オススメしません。

数百円のオイルで数万円のリールを壊してしまっては元も子もないので、しっかりとリール用オイルを選んでください。

こまめなメンテナンスを継続して、快適な釣りを楽しんでくださいね!
画像提供:佐藤稜真

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筆者について

佐藤稜真

某リールチューンメーカー在籍時、全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。

中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。

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