横浜高の憧れの先輩を追って…独立リーガーがNPB入りアピール弾「どうしても行きたい」

新潟アルビレックスBCの樋口龍之介【写真:荒川祐史】

新潟アルビレックスBCの樋口龍之介、横浜高では甲子園に出場

 ルートインBCリーグ選抜と巨人3軍の交流戦が19日、ジャイアンツ球場で行われ、11-1でBCリーグ選抜が勝利した。17安打11得点で快勝した選抜チームで長打力を披露したのが、新潟アルビレックスBCの樋口龍之介内野手だった。2回に左中間へ運ぶ大きな先制3ランを放つなど、打線を牽引。名門・横浜高校、立正大と進み、BCリーグでプレーを続ける25歳は、BCリーグに所属して3年目。2016年にプロ志望届を提出も夢と消えたNPB入りが、おぼろげながら見えてきている。

 迷いなくフルスイングすると、打球は左中間席へ飛んでいった。打った樋口自身も驚く一発だった。「初めて対戦する投手(巨人・横川凱)だったので直球に合わせていきました。今日はアピールする場。特に考えすぎることなく、シンプルに打席に入りました」。スタンドには日米のスカウト合わせて12球団が視察。近年では独立リーグからNPB入り、栃木に所属していた北方悠誠投手のようにメジャー球団のマイナーチームと契約する時代。いいアピール弾になった。

 横浜高校では柳裕也投手(中日)らと同世代の内野手。1つ上の代の近藤健介外野手(日本ハム)を尊敬する。今年の1月には近藤らが行う鹿児島県徳之島での合同自主トレに参加。「TEAM徳之島」のメンバーの1人だ。「僕は基本的にはバッティングピッチャーでお手伝いをさせてもらっている立場です。ただノックやバッティング練習などには入れてもらえたりします。そういう選手と一緒にやらせてもらっているからこそ、身近と言っては失礼ですが、どうしてもNPBに行きたいという思いは強いですね。かっこいいです」と渇望する。

 今季、新潟では70試合に出場し、打率.354(リーグ4位)、19本塁打(リーグ2位)、69打点(リーグ3位)の高成績。本塁打と打点に関しては日本人選手トップという申し分ない数字をマークした。NPBへの“お披露目会”ともいえるBC選抜チームに入るには、スカウトからの一定の評価がなければ選ばれない。樋口は過去2年、選ばれていなかったが、選出された今年の舞台では本塁打あり、単打ありと、バットで自分をアピールすることができた。10月17日にドラフト会議が迫るが「(ドラフト指名は)少しだけ、期待しています」と控え目。過度な期待は持っていない。25歳という年齢をみると今回がラストチャンスかもしれない。憧れの先輩、近藤の背中は近いようで遠く感じているが、自分を信じて、残りの選抜チームの試合に全力を尽くしていく。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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