ラグビーW杯 日本代表の足元を支える「信州の老舗・靴下メーカー」 選手の要望に応える“高い技術力” 

長野市のある靴下メーカーは、スポーツ用ソックスを得意としていて、あの「日本代表」の公式ユニフォームのソックスも手がけている。開発秘話や高い技術力を取材した。

胸には桜のエンブレム。ラグビー日本代表の公式ユニフォーム。これを着て、きょう20日、日本で開幕するワールドカップを戦う。注目するのはリーチ・マイケル選手たちが履く、こちらのソックス。実は・・・。

(記者リポート)「選手たちが履く白いシンプルなデザインのソックス。長野市のタイコーの工場で製造されました」 

長野市下駒沢の「タイコー」。工場内には所狭しと大きな編み機が並んでいて1日5000足から1万足の靴下を製造している。今年で創業70年。あらゆるニーズに対応しようと新しい機材や技術を積極的に導入している。こちらは、数年前、導入したイタリア製の編み機。

(神田一平社長)「つま先の部分を最後まで縫ってくれる。つま先の部分は、違和感を覚えやすい場所。縫い目がないので、新しい付加価値として喜ばれている。最新の技術を取り入れるというのを念頭に置いているので」

その最新技術を生かして「タイコー」が得意とするのがスポーツ用ソックス。ラグビーのブランド「カンタベリー・オブ・ニュージーランド」に供給する、日本代表のソックスもその一つ。シンプルなデザインの中に、こだわりの機能が備わっている。

(神田一平社長)「靴の中で足が滑ると、運動時のパワーロスになるので、スクラムを組むときに大変」

足の甲から足裏にかけては、特殊な滑り止め加工を施している。
机の角に置いて加工していないものと比べると・・・差は歴然。

さらに、つま先とかかとの部分には吸水性の高い糸を使用し、履き心地を向上させている。

(神田一平社長)「『段階着圧』と言って、ここが一番きつくて、だんだんゆるくなっていくので、血がたまりにくい。そうすると疲労軽減になる」

一部の選手からの要望で、「足袋タイプ」も作った。

(神田一平社長)「5本指ソックスにこだわっている選手も何名かいるので、そういう指が分かれているのが具合いいと言っている選手には、足袋がいいんじゃないかと提案したら、いいねって」

「タイコー」は前回のワールドカップから日本代表のソックスを手がけていて、今回も自社の製品を履く選手達の活躍に期待している。

(神田一平社長)「(前回は)南アフリカに勝った時に、うちの会社も盛り上がりまして、その時から、ラグビーに対する熱量が上がりました。少しでも選手の役に立てればうれしい、この前の南アフリカ戦みたいに勝てればもっと盛り上がるので」

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