<レスリング>【2019年世界選手権・特集】第6日・メダル獲得選手の声(川井梨紗子、皆川博恵)

(2019年9月19日、カザフスタン・ヌルスルタン / 取材=布施鋼治・松本一葉、撮影=保高幸子)


 ■女子57kg級優勝・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ=オリンピックを含めて4年連続世界一)「結構泣いちゃったなって。少しだったんですけど、ちょっと泣きすぎちゃったかな。日本チームで金メダルの望みが自分と(皆川)博恵さんしかいなくなり、自分が金メダル取らなきゃいけないと思いました。うれしさと安心感と悔しさ、いろいろと混じっていて、ちょっと言葉にするのが難しい。

 安心感もあるんですけど、反省点もすぐに出てきました。9-0まで行って、相手の力強さに6点取られた。これが東京じゃなくてよかったなって部分もあります。点数と内容はともあれ、次につながる試合になったんじゃないかなと思います。東京オリンピックに向け、1年間しっかり時間を使えるのでもっと強くなりたいです。

 (明日は妹の敗者復活戦)友香子が負けた試合、ホテルで見ようと思ったんですけど、その時だけ違うマットになっていて見れなかった。誰とも連絡がつかなくて、お母さんに電話して結果を知って、『え、なんで?』という思いと、もしかしたら友香子がここで決められないかもしれないって思いで、自分もちょっと心が折れそうになりました。母が『梨紗子は梨紗子の試合をしっかりやりなさい』って。母がいてくれてよかったです。

 これ(敗戦)が友香子を強くするきっかけになればいいと思うので、しっかり切り替えてほしい。自分が優勝して友香子を勇気づけたいと思っていたので、それが伝わってればと思います」


 ■女子76㎏級2位・皆川博恵(クリナップ=初の決勝進出で銀メダル獲得)「攻めるように言われていたけど、攻める勇気が出なかった。1位と2位では全然違いますが、全体を通して自分の成長が見られた試合が多かったので、よかったと思います。東京オリンピックで金メダルを取るためには、技術や体力を全部上げていかなければいけない。

 テークダウンを取る練習をしていたけど、力もありバランスのいい選手からはすごく難しい。そういう細かい技術を向上させつつ、体力的な部分もまだまだ向上できると思うので、全体的に底上げしていきたい。くっついたら投げられるリスクはありますが、くっつかないと相手に近づけないので、そういうのを怖がらずに練習をしてきて、結構試合に出せました。成長した部分だなって思います。

 (チャンピオンに)追いつけない差ではないと思う。今までやってきたことが間違ってなかったと思うので、それにプラスして、もっときつい練習をして東京を迎えたい」

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