瓦職人の怒り 94歳男性が屋根の修理中に転落死 「安倍総理、森田知事。ご老人にこんな事させるな」

雨が来る前にシートを被せなければ…と誰もが考えるのは仕方がないことです(写真はイメージです)

9月9日に台風15号が千葉県を直撃してから11日が経ちました。復旧作業が遅れている中で、壊れた家を自分で補修しようとして、事故が起きる2次被害も増えてきています。

千葉県いすみ市では、17日午前10時頃、壊れた自宅の屋根瓦を直していた94歳の男性が転落しました。家族が119番通報したものの、男性は搬送先の病院で亡くなりました。

千葉県茂原市で被災し、停電、断水を経験しながら、屋根瓦補修現場に日々繰り出す森川瓦店の森川康司さんはSNSで警鐘を鳴らしています。

「94歳にこんな事させるなよ…安倍晋三、森田健作。瓦職人の自分の言う事を聞いてください。靴の底が濡れている状態では絶対に瓦の上には上がらないこと。砂や泥がついていても滑ります。瓦が濡れていても上がらないこと。ブルーシートを貼った上には乗らないこと。濡れているとすごく滑ります。また、ブルーシートを貼ると下の屋根の状態が見えなくなるので瓦がずれかかっていたり穴があいていてもわからないので危険です。必ず少しずつ貼りながら重しを載せていくようにしてください。はがす時も同じように…

俺は高いとこ平気だから~ってのが1番危ないんですわ。あと、和型の瓦の上を歩く時は瓦の低い部分に足の指の付け根を乗せて踵を浮かせて歩きます、出来ない場合は瓦の低い部分に足を縦に全部乗せて瓦の形に合わせて歩くようにしてください。瓦の高い部分(合わせ目)に乗ると瓦が持ち上がりズレたりして危険です…形の違う洋風の瓦にしても基本的に低い部分(溝)を歩くようにしてください」

森田健作知事が被害の状況を把握するのが、遅かったことについて、千葉県在住のタレント坂上忍氏も怒り爆発されていましたが、復旧現場に日々出動している方々は、現状を行政に把握してほしいと訴えています。

「うちの損保会社の事故受付センターでは、台風による車の損害が約3700件。その他家屋の損害が約22000件。修理工場もパンク状態、レンタカーの手配も足りない。瓦屋さんも依頼の数がハンパない。でも、みんな、復旧の為に頑張ってます。安倍総理、森田知事、現状わかってる??」(森川さん)

職人の人口が激減している屋根瓦業界内で県外からの応援も報じられてはいますが、現場は大変なことになっています。復旧作業が遅れるとブルーシートを貼るだけで18万円を請求するような悪徳業者や詐欺業者も跋扈しているとの報道もあります。2次被害をこれ以上出さないように行政庁には、尽力していただきたいものです。(文◎安倍しんのすけ)

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