二宮尊徳の生家に赤色スプレーで落書き 悪質いたずらか

発見された落書き=小田原市栢山の二宮尊徳生家

 県指定重要文化財で、小田原市尊徳記念館(小田原市栢山)の敷地内にある江戸後期の農政家・二宮尊徳の生家の壁に落書きがあるのが20日、見つかった。市は悪質ないたずらとして小田原署に被害届を出す方針。

 市によると、同日午前6時15分ごろ、警備員が落書きに気づき、同館職員に報告、小田原署にも通報した。落書きは生家東側の壁にあり、赤色スプレーで縦約1.5メートル、幅約5メートルにわたって「ケンケイケイビ」などと書かれていた。19日の見学者からは異常についての報告がなかったことなどから、市は同日夕から20日朝までの間に書かれたものとみている。

 現場は夜間も出入り自由で、防犯カメラなどはなかった。市は復旧方法とともに防犯対策についても検討する。同館の担当者は「貴重なものに対して許せない行為。軽い気落ちで書いたのかもしれないが、誠に遺憾」と憤っている。

 二宮尊徳生家は木造平屋で18世紀中頃に建てられ、尊徳は一家離散となる16歳まで住んだ。その後、何度か移築されたが、1960年に現在地に移され、63年に県から重要文化財に指定された。屋根や壁は修復されているが、骨組みなどは当時のままという。

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