学校事情を一からガイド 情報や知識を得る重要性

舞台演出家で、教育に詳しいジャーナリストの河原その子さんによる「NYC学校事情A to Z勉強会」が、ユニオンスクエアで開催された。

「複雑なニューヨークの学校システムを知っているかどうかで、子供の学校選びや進学のサポートは大きく違ってきます」と話す河原さんが、プリKやキンダーなどの選び方とポイント、公立学校システムの流れ、GTプログラムや特別プログラムの違いなど、学校探しの入り口の話題を中心に分かりやすく説明していく。加えて、デイケアやプリスクール、日系学校などについても解説する。

アメリカの学校システムを知りたい母親たちが集合

クラスは、プリKやキンダー、私立プリスクールなどに「いつ入学するか?」の説明から始まり、各々の学校への申し込みの時期や年齢などを解説。続いて公立学校の基礎とシステムの流れを解説していく河原さんは、「こういった基本的な情報を知らないと慌てることになります」と力を込めていた。

自分の学区とゾーン校の見つけ方といった、最初にやるべきことについての解説に入ると、「その学区に住んでいる人しか入学できないですか?」との質問が。河原さんは「優先順位があるということです」と答えながら、「先入観を持ったり、ここは対象外だから入れてもらえない、と最初から決めつけないことが大事です」とアドバイス。

講師の河原その子さんが、ニューヨークの公立学校について、キンダーからプリKを中心に解説

さらに、河原さん自身が苦労された体験談に、みんな聞き入っていた。また、学校探しのためのリソースなど、役立つ情報が詰まったテキストも配布。「学校選びは、1年前からリサーチや見学を始めることが大切」との河原さんの言葉に、母親たちは大きく頷く。 2歳になる子供を持つ山本佑衣さんは、「きょうはデイケアとプリスクールについて知りたくて参加しましたが、その仕組みがよく分かり、後々のことまで今から考えるいい機会になりました。私たちに教えたいという先生の思いが伝わってきました」と話した。

ウィリアムズバーグ在住で、1歳7カ月の子供を持つ笠木れいさんは、「日本とは学校の事情が違うので、ずっと不安でした。今日は分かりやすく体系立てて教えてもらえて、今まで点だった情報が線でつながり、もやもやしていたものが解消されました。情報収集の方法を知ったので、そこから始めてみます」とすっきりした表情。

ニューヨーク歴5年で、1歳半になる子供の母親のトラブカーニ玲子さんは、「学校システムが全く分からなかったので、一から体系的に学びたくて参加しました。かゆいところに手が届くように教えていただき、こんなに貴重な情報をたくさん得られて、本当に助かりました」と河原さんに感謝していた。

「今日の勉強会が、学校について自分で調べる入り口になってくれたらうれしいです」と、河原さんは参加者に話していた。

ハンドアウトやパソコンを使っての勉強会

NYC Public Schools A to Z

不定期で開催。 対象は乳幼児から小学校低学年の子供の保護者。 詳細はまずEメールで問い合わせを。 【問い合わせ】nycpschoolsatoz@gmail.com

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