三浦・城ケ島の整備構想 商店街を和モダンに

城ケ島西部地区の景観整備のイメージ

 三浦市の城ケ島区は、城ケ島西部地区のまちづくりに関する基本構想をまとめた。「和モダン」をコンセプトとした商店街の再整備など、同地区の観光振興や防災上の課題を克服するための策を盛り込んだ。

◆大橋無料化 後押し

 基本構想は、昨年11月に県や三浦市、同区、京浜急行電鉄の4者が公表した同地区の再整備方針を踏まえ、まちづくりの方針と必要な取り組みをまとめた。

 公表の際、黒岩祐治知事は城ケ島大橋の無料化の時期について「(島西部の再整備が)進み始めたと実感できた段階」とした。基本構想策定について、加藤治彦区長は「城ケ島大橋の無料化に向けて、区としての姿勢を示した。街並みをきれいにし、多くの観光客が訪れるようにしたい」と話した。

 基本構想では、観光振興や防災上の課題として▽観光施設の不足や魅力低下▽街並みに統一感がない▽城ケ島灯台通りの幅員の狭さ▽水害への備えが脆弱(ぜいじゃく)-の4点に整理。

 これらを改善するため、補助金や民間資本を活用し、渡り船の発着場近くに防災機能を持つ交通・交流空間を整備するとともに、幅員を6メートルまで広げた上でデザインに統一感がある商店街に生まれ変わらせる手法を列挙。また城ケ島灯台公園は、憩いの場と防災空地に利活用することも挙げた。今後、基本構想を基に検討し、京急が手掛ける「城ケ島京急ホテル」の建て替えに歩を合わせて再整備する予定。

 城ケ島の再整備を巡っては、県が2012年、横浜、鎌倉、箱根に続く第4の国際観光地の創出を目指す「新たな観光の核づくり事業」に認定。区は県からの交付金を活用し、海上いけす釣り堀やハイキングコースなどを整備してきた。また16年3月には、「城ケ島西部景観ビジョン」を策定している。

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