横浜、熱気最高潮 ロシアキャンプ地・海老名も ラグビーW杯

松島選手の3トライ目に喜ぶ観客=20日午後9時半、横浜市のファンゾーン

 アジア初開催のW杯に日本の初陣とあって、横浜市のファンゾーン(みなとみらい21地区の臨港パーク)は5千人を超える観客でにぎわった。ロシアに先制トライを許し、意気消沈の会場だったが、ムードを一変させたのが県勢の松島幸太朗だった。立て続けにトライを決めて逆転すると、熱気は最高潮に達した。

 大柄なフォワードの突破力が持ち味のロシアに対し、低いタックルと素早いパスワークで翻弄(ほんろう)する日本に、観客は最後まで声をからした。スクリーンの最前列で観戦した会社員の佐藤将太さん(32)=横浜市旭区=は「松島選手の活躍に勇気づけられた」と喜んだ。

 格下のロシアとはいえ、快勝で幸先のいいスタートを切った日本に、観客の期待は高まる。次戦の相手は、世界ランキング1位のアイルランド。会社員の間部美穂さん(32)は4年前の南アフリカ戦を引き合いに「大金星を挙げてほしい」と、白星発進を祝った。

 一方、ロシア代表の公認キャンプ地・海老名市でも、海老名駅近くの広場に大型ビジョンを積んだ車両を置いてパブリックビューイング(PV)を開催。キックオフ時点で1200人(主催者発表)が詰め掛けたが、試合中も市民らが続々と訪れ、声援が増した。

 市内在住の坂井正也さん(72)は「海老名は日本もロシアも両方を応援できていい。お互いに頑張って勝ち上がってほしい」と笑顔。会場内では、両チームの好プレーが映し出されるたび、どよめきやため息が交互に起きた。

 試合終了後、東京都町田市から訪れたラグビーファン歴10年の自営業の男性(46)は「日本代表は最初、動きが硬かったが、途中から勢いを戻し、とにかく勝ててよかった。松島選手のスピードあるトライにしびれた」と興奮気味に話していた。

© 株式会社神奈川新聞社