中日根尾、日ハム吉田輝、阪神近本…各球団のドラフト1位指名選手の現在地

日本ハム・吉田輝星【写真:石川加奈子】

4球団競合の根尾・小園にも明暗、外れ1位の阪神近本は大活躍

 今年もすでに高校生、大学生合わせて134人(9月19日時点)がプロ野球志望届を提出し、10月17日に行われるドラフト会議に向けて注目が集まっている。昨年はスター選手に指名が集中し、競合したドラフト1位指名だったが、今季はどのような活躍を残したのだろうか。12球団のドラフト1位ルーキーらの現在地をたどる。

【セ・リーグ】

広島:小園海斗内野手
 報徳学園高から広島に入団した小園は、DeNA、オリックス、ソフトバンクと4球団が競合した。今季は後半から1軍でプレーし、主に「8番・遊撃」で先発。55試合で4本塁打16打点、打率.213をマークしている。高卒ルーキーの4本塁打は1950年の紺田周三の3本を超え球団新記録だ。

中日:根尾昂内野手
 大阪桐蔭高から中日に入団した根尾は、小園と並ぶ2大人気で巨人、ヤクルト、日本ハムと4球団で競合。ここまで1軍昇格はなく、ウエスタン・リーグで105試合に出場し、2本31打点、打率.209。

DeNA:上茶谷大河投手
 東洋大から外れ1位指名でヤクルトと2球団競合となった上茶谷は、今季はここまで1軍で稼働。23試合に先発し、7勝6敗、防御率4.19。7月2日の阪神戦(横浜)までは順調に5勝を積み重ね新人王候補とみられていたが、そこから失速。前回14日のヤクルト戦(横浜)での登板では約1か月半ぶりに白星を手にした。

阪神:近本光司外野手
 藤原、辰己と外れ、“3度目の正直”で指名された近本は大当たりドラフトと言えるだろう。開幕から1試合を除いて出場し続け、1958年巨人長嶋茂雄のセ・リーグ新人最多安打記録を更新する154安打を放つなど9本塁打41打点、打率.274の活躍。5位に低迷する阪神の中で、明るいニュースを提供し続けた。

巨人:高橋優貴投手
 根尾、辰己と外れて指名された八戸学院大の高橋は、今季17試合に先発し5勝6敗、防御率3.08。開幕直後4月4日の阪神戦(東京ドーム)でデビューし、6回4安打5奪三振、1失点の快投でプロ初勝利を挙げた。しかし5月の初めまで3勝と軽快に積み上げてきた白星はその後は停滞。最後に勝利投手となったのは8月17日阪神戦(東京ドーム)。

ヤクルト:清水昇投手
 根尾、上茶谷と外れて指名した国学院大の清水もルーキーイヤーから1軍登板。6月から8月頭まで10試合を投げたが、0勝2敗、防御率5.79と振るわず。イースタンリーグでも16試合を投げて4勝9敗、防御率4.53となっている。

4球団競合の楽天・辰己や甲子園のスター藤原・吉田輝は…

【パ・リーグ】

ロッテ:藤原恭大外野手
 阪神、楽天にも1位指名された藤原。今季は開幕1軍でスタートするも、6試合19打席で2安打、打率.105と適応できず、4月7日には2軍落ち。イースタン・リーグでは77試合に出場し、4本塁打21打点、打率.227とプロの洗礼を浴びている。

楽天:辰己涼介外野手
 立命大の辰己は外れ1位でソフトバンク、巨人、阪神も指名したが楽天が交渉権を得た。開幕を1軍で迎え、今季はここまで119試合に出場して4本塁打24打点、打率.219。9月3~4日のソフトバンク戦(ヤフオク)ではプロ入り初の2試合連続ホームランを放っている。

ソフトバンク:甲斐野央投手
 ソフトバンクは小園、辰己と外れて東洋大の甲斐野を指名。甲斐野は開幕から救援として回り、今季62試合に登板して2勝5敗、25ホールド8セーブ、防御率4.15。まだ一度も降格することなく定着している。

日本ハム:吉田輝星投手
 夏の甲子園では金足農業高で世間を沸かせた吉田輝だったが、日本ハムが外れ1位で一本釣り。6月12日の広島戦(札幌)でプロ入り初先発初勝利を飾る華々しいデビューを果たしたが、その後は2戦2敗、防御率は10.80とプロの洗礼を浴びた。イースタンでは17試合で2勝5敗、防御率4.31

西武:松本航投手
 西武は日体大の松本航を一本釣り。5月に1軍初昇格すると14試合に登板し、リーグでは今季の新人最多となる7勝(3敗)を挙げている。防御率4.26。5日のオリックス戦(ほっと神戸)では6回2失点、自己最多の1試合9奪三振を挙げ、現在2連勝中だ。

オリックス:太田椋内野手
 小園を狙うも外れ、天理高の太田を指名。太田は父・暁さんが同球団の打撃投手という縁もある。今季はウエスタンで61試合に出場し、5本塁打20打点、打率.267。9月14日に初の1軍昇格を果たすと、そこから6戦連続でスタメン入り。20日終了時点でプロ初安打はお預けとなっている。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2