「ウォーキング・デッド シーズン10」の撮影現場を直撃!キャストたちのコメントをお届け!!

「ウォーキング・デッド シーズン10」の撮影現場を直撃!キャストたちのコメントをお届け!!

ウォーカーと呼ばれるゾンビがまん延する世界を描いたサバイバルドラマとして大人気の「ウォーキング・デッド」。絶対的リーダーだったリック(アンドリュー・リンカーン)が去った後、シリーズの顔となって番組を牽引するダリル役のノーマン・リーダスが、撮影現場でのインタビューに応じてくれた。

今シーズンは多くのストーリーが絡み合っていてとても複雑

── 最新作となるシーズン10の見どころを教えてください。

「今シーズンは多くのストーリーが絡み合っていて、とても複雑だ。大勢の人たちがお互いを信頼していなくて、ダリルはたくさんのもめ事の後始末をしている。彼とキャロル(メリッサ・マクブライド)の関係にもいろいろと不和が生じて、彼女は独自の道を進んでいくことになるけど、それがみんなを危険な状況に巻き込む。そして、彼がその問題に対処するんだ。また、ダリルが関わるリディア(キャサディ・マクリンシー)のストーリーがあり、ニーガン(ジェフリー・ディーン・モーガン)の新たなストーリーも始まろうとしている」

── シリーズの最初から関わっていますが、今でも驚くようなことはありますか?

「製作者たちは、悪者や脅威に関して常に新しいストーリーを生み出している。悪者の総督(フィリップ・ブレイク)とニーガンのやり方は全然違うし、アルファ(サマンサ・モートン)もニーガンと全く異なる。ニーガンは、野球のバットを持って、『オレたちはお前らをぶちのめしたい!』といった感じだけど、アルファはものすごい数の軍団を率いていて、彼らはウォーカーなのか“囁く者”の仲間なのか見分けがつかない。今シーズンは多くのパラノイアが渦巻いているよ」

── ダリルはシーズン9から犬を相棒に行動するようになりました。犬との共演はいかがでしたか?

「あの犬はたぶん、このシリーズの中で一番頭の良いキャストだよ。最もプロフェッショナル! ダリルと犬のとてもいいシーンがあるんだ。そのシーンでは、年月がいかにダリルに影響を与えてきたかを知ることができる。戦いはずっと続いているけど、今回の争いは特に、彼に悪い影響をもたらすんだ。そういった状況の中で、犬は彼にとって大切な存在となる。犬好きにはたまらないシーンがあるよ。今シーズンのダリルには、かなり大きな変化があるね。僕にとってはとてもワイルドな経験になっているよ」

── ダリルの武器といえばクロスボウですが、もし本当にゾンビによる世界の終末が起きたとしたら、クロスボウを武器に選びますか?

「だいぶ前、クロスボウがクールだと思っていた時なら、僕はそう言っていた。でも実はすごく重いんだ。背負って走ると、背骨に当たって最悪。だから、クールな武器だけどクロスボウは選ばないよ。でも、もし本当にゾンビ・アポカリプスになったら、僕はボートで生活するね。そして、ナイキのスウェットパンツにスニーカーを履くよ(笑)」

── でも、時々撮影で使ったクロスボウを持ち帰ると聞きました。

「7個ぐらい持っているよ。僕がそれで何をするか知ってる? クロスボウにサインをして、“Make A Wish(病気の子どもを支援する財団)”とかに渡すんだ。つまり、僕はクロスボウを盗み出して寄付するんだ。僕はロビン・フッドなんだよ(笑)」

【プロフィール】


ノーマン・リーダス(ダリル・ディクソン役)

1969年1月6日生まれ。米フロリダ州出身。ギレルモ・デル・トロ監督の映画「ミミック」(97年)で注目され、「処刑人」(99年)、「ブレイド2」(2002年)などに出演。2010年から出演しているドラマ「ウォーキング・デッド」のダリル役で人気を博す。

【コメント】


ダナイ・グリラ(ミショーン役)

「今のショーランナーのアンジェラ・カンはとても協力的よ。長年キャラクターを演じてきた役者の意見に耳を傾け、それを物語に生かすの。そこには素晴らしいビジョンと共同作業の成果がある。それがこのシリーズの本質ね。このシリーズを通して、キャスト同士も友だちになるの。何シーズンも一緒にいるキャストたちのことを、突然もっとよく知るようになったりする。私たちは自分の家族についてとても深い話をしたりして、そこにはとても豊かな友情があるわ」

ジェフリー・ディーン・モーガン(ニーガン役)

「ニーガンは今でもうぬぼれが強くて危険な面を備えている。彼は子どもと動物が好きで、大人を信用していない。今シーズンの終わりには、彼はダリルと関係を築くことになる。今年はニーガンにとって面白い年になるよ。牢屋の外にいるのはいいね、それは間違いない。“囁く者”たちの存在はとても大きな問題で、それが人々が手を組むきっかけになるんだ」

キャサディ・マクリンシー(リディア役)

「リディアはコミュニティで人々に守られているわ。彼女は初恋の相手のヘンリー(マット・リンツ)を失い孤独で、コミュニティに居場所を見つけようとしている。でも、彼女の母親・アルファのせいでみんなに偏見をもたれて、それを困難にしているの。彼女は今、自分自身を信用することを学んでいるのよ。そして、自分の考え方のすべてを変えないといけない。なぜなら、彼女は子どもの頃から、自分の母親は素晴らしい保護者だと思い込んでいて、やっと今、そう思っていたことは正しくないということに気付いたから」

<撮影現場リポート>

過日、ジョージア州アトランタ郊外で行われているシーズン10の撮影をのぞいてきた。セノイアという小さな町に、コミュニティ・アレクサンドリアの舞台となる住宅街のセットがあるが、これは撮影のために建てたものではなく、実際の住宅街を撮影用に装飾したもの。そのため、いくつかの住宅には今でも人が住んで、普通に生活しているという。シリーズが終了したあかつきには、「ウォーキング・デッド」ファンの間で大人気の不動産物件になるのは間違いないだろう。
現場では、ゾンビを知り尽くしている特殊効果メーク・監督・プロデューサーのグレッグ・ニコテロが、この住宅街の裏の林で、ユージーン(ジョシュ・マクダーミット)とロジータ(クリスチャン・セラトス)がゾンビと戦うシーンを演出していた。間近で見るゾンビも迫力満点だが、カメラが回る前に自らスプレーでゾンビたちの服に汚れを足すニコテロのこだわりに感心させられた。子どもの時から「ゾンビが大好きだった」と言うニコテロは、「人々は今でも僕らがしていることに興味を持っている。特殊メークのスタッフは、最初からこのシリーズに関わっている人たちばかりだ。僕らは常に自分自身にチャレンジし、毎回新しいことに挑むことを心がけている」と語った。

【番組情報】


「ウォーキング・デッド シーズン10」
10月7日スタート(全16話)
FOX
月曜 午後10:00~11:00ほか(字幕)

アルファ率いる“囁く者”によって、多くの仲間を失ったダリルたち。キャロルは娘に続き、息子同然のヘンリーを亡くし、元“囁く者”のリディアは自らの裏切りで多くの命を犠牲にしてしまった。そんな中、境界線をめぐり、仲間たちと“囁く者”の対決の日が近づく…。

製作/ゲイル・アン・ハードほか 企画/フランク・ダラボン 原作/ロバート・カークマン
出演/ノーマン・リーダス ダナイ・グリラ メリッサ・マクブライド ジェフリー・ディーン・モーガンほか

取材・文/細谷佳史

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