ラグビーW杯開幕戦 流、冷静に攻撃指揮

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 重圧のかかる自国開催の開幕戦。頼りになる背番号「9」、SH流大(サントリー、荒尾=現岱志=高出)が、自らの名前の通り勝利への流れをつくった。

 硬さからか、いきなりのミスで0-7と先制を許す展開となった。だが、先発した流は持ち味の素早いパス回しで日本本来の攻撃のリズムを生み出し、冷静にゲームをコントロールした。「プレッシャーのかかる試合では、彼のような存在が必要」。大役を任せたジェイミー・ジョセフヘッドコーチの期待に見事に応え、「緊張で波に乗れないところもあったが、結果としてボーナスポイントも得て、勝利することができた」と納得の表情を見せた。

 前日の会見で「すごく責任を感じている。プレーで引っ張っていきたい」と語っていた。前半の苦しい展開にも「これがワールドカップ」と割り切り、「必ずチャンスが来る。できることに集中しよう」と仲間を励まし続けた。

 開幕戦を迎えるまで、SHの3人は熾烈(しれつ)なレギュラー争いを繰り広げた。6月の宮崎合宿から加わった茂野(トヨタ自動車)が台頭。7月のパシフィック・ネーションズカップのフィジー戦や、壮行試合だった2週間前の南アフリカ戦で先発の座を奪われた。それでも流は「誰が選ばれても自分は役割を果たすだけ」と自分の出番は必ず回ってくると信じていたという。

 常にチームのことを考える。その献身的なリーダーシップは「僕の原点」という荒尾高時代に培われた。帝京大、サントリー、スーパーラグビーのサンウルブズでも主将を務め、日本代表のリーチ主将も「将来の代表キャプテンになる」と一目を置くほどだ。

 W杯の大舞台に立ち、勝って日本中を盛り上げたい。その夢は8強入りを果たして初めてかなう。「次のアイルランド戦へ向け、課題を修正して臨みたい」。日本には頼りになる9番がいる。(梅ケ谷昭人)

(2019年9月21日付 熊本日日新聞朝刊掲載)