メクル第399号 旬感 DF角田誠選手(背番号6) 闘争心あふれるリーダー

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「今もサッカーやれていることがうれしい」と感じている角田選手

 リーグ戦は、ここまで21試合に出場。8月31日の東京ヴェルディ戦では、決勝弾(だん)となるヘディングシュートを決め、チームを今季初の逆転(ぎゃくてん)勝ちに導(みちび)きました。自身も移籍(いせき)後、初得点。「今、とても充実(じゅうじつ)している」。そして、強く感じています。「サッカー最高!」と。
 昨年はJ1清水エスパルスに所属(しょぞく)していましたが、出場はわずか5試合。「プロで18年やってきて、あんなに出られなかったのは初めて」。「引退(いんたい)」も頭をよぎりました。でも、胸(むね)の奥底(おくそこ)から悔(くや)しさが湧(わ)き起こってきました。「この気持ちがある限(かぎ)り、現役(げんえき)でプレーしたい」と思いました。
 そんなベテランの角田選手に熱いオファーを送ったのが、かつてベガルタ仙台(せんだい)で一緒(いっしょ)だった手倉森誠監督(てぐらもりまことかんとく)です。「角田は勝ち方、負け方といった経験(けいけん)、そして勝負本能(ほんのう)を持っている」。V長崎にこれまであまりいなかった、闘争(とうそう)心あふれるリーダーが誕生(たんじょう)しました。
 センターバックとして、経験(けいけん)から導かれる読みの深さ、鋭(するど)さが強み。チームに安心感、安定感を生んでいます。そして何より、気持ちを前面に出すリーダーシップ。けがでベンチ外だった試合でもロッカールームに立ち寄(よ)り、仲間たちに一声かけます。試合内容(ないよう)が悪いと、厳(きび)しい言葉をぶつけることもあります。
 それは全て「チームが勝つため」。勝たないと、選手個人(こじん)の評価(ひょうか)も良くならないと分かっているからです。だから、本来なら言いたくないこと、言いづらいことでも、あえてチームのために言います。「友達、少なくなってきた」と苦笑い。ただ、強い姿勢(しせい)はサポーターにも伝わり、敬意(けいい)を込(こ)めて“隊長”と呼(よ)ばれるようになりました。
 今季は攻守(こうしゅ)の要であるボランチを務(つと)めることも。「体力的にきつかった」。そう言いますが、ここまで4アシストと、きっちり仕事をこなしています。
 三つ上の兄の影響(えいきょう)で、7歳(さい)から始めたサッカーも今年で30年。プロとしても長くやってこられたのは、喜怒哀楽(きどあいらく)は出しても、良い時も悪い時も「一喜一憂(いっきいちゆう)せずにやってこれたから」。
 36歳。選手としての時間は、そんなに長くはありません。サッカーができるありがたみを強く感じています。「大の大人同士が抱(だ)き合って喜ぶなんて、そうないこと。こんな素晴(すばら)らしいことに関われていてうれしい。だから、できる限(かぎ)り長く」-。そんな思いで戦っています。 

◎プロフィル

 かくだ・まこと 1983年7月10日生まれ。京都府出身。京都や名古屋、仙台(せんだい)、川崎、清水を経(へ)てV長崎入り。30歳(さい)から伸(の)ばしているサラサラ長髪(ちょうはつ)がトレードマーク。東野圭吾(ひがしのけいご)さんの本や漫画(まんが)「NANA(  ナナ  )」が好き。180センチ、78キロ。36歳。