日本は本当に意識が低い?プラスチックの環境対策、世界と日本の対応とは

ペットボトルや買い物袋など、私たちの生活で多岐にわたり使われているプラスチック製品。便利に使える一方、プラスチック廃棄の環境への影響、特に海洋汚染の問題が重要視されています。現在の日本の対応や日本人の意識とは?他国の実情も併せて紹介します。

日本のプラスチック処理事情

日本では、自治体ごとにゴミの分別方法が決められ、資源や可燃ごみ、不燃ごみなどなど細かく決まっていますよね。内閣府大臣官房政府広報室(*1)によると、日本の廃プラスチックのリサイクル率は27.8%で、あまり進んでいないのだとか。半分以上は発電や熱利用のために燃やされ、14%が未使用のまま焼却処理または埋め立てられているそうです。

プラスチック発生量、日本は世界でも上位だった

国連環境計画(UNEP)が2018年に発表した「使い捨てプラスチックに関するレポート」(*2)によると、容器包装プラスチックごみの1人当たりの発生量を国別で比較すると、日本はアメリカに次いで世界で2番目に多いそう。確かに、コンビニでレジ袋に入れてもらうのが当たり前だったり、お弁当や食べ物を含むさまざまな容器にも、プラスチックが多く使われていますよね。

プラスチックごみに対する日本人の意識

環境に優しいプラスチック製品を製造する企業「株式会社みやこ」では、「一般消費者の環境問題に関する意識調査」(*3)を実施。その中で、環境に優しいプラスチックカップがあれば使用したいと回答したのは83%に及びました。一方で、植物に含まれるでんぷんが主原料の「PLA(ポリ乳酸)カップ」の存在については、70%が知らないと回答したそうです。環境問題について、意識して行動できていると自覚している人は全体の27%という結果に。

【調査概要】

期間: 2019年8月1日~3日

対象: 10代~60代男女(Gunosyリサーチ)

人数: 100人

実施: 株式会社みやこ

フランスでのプラスチック対策

プラスチック製品の規制が年々厳しくなっているフランスでは、スーパーなどの食料品店では、基本的に店側から提供されるレジ袋はなく、客自身が持参するバッグに入れて持ち帰るか、バッグがない場合は有料でレジ袋を購入します。基本的に野菜やフルーツは量り売りになっていますが、包装用には紙袋を用意している場合がほとんど。ビニール袋を置いている場合でも、とても薄いタイプを使用しています。

さらにフランス政府の対応として、コップやグラス、皿などの使い捨てプラスチック製品の流通を2020年1月1日から禁止に、翌年2021年1月1日からはカトラリーやコップ用ふた、発砲ポリスチレンの容器やボトルも禁止する方向です。

世界の使い捨てプラスチック対策

環境省が2018年に発表した「プラスチックを取り巻く国内外の状況」レポート(*4)によると、使い捨てプラスチックの製造・販売・使用を禁止している国も多くあり、例えばレジ袋は、中国や台湾をはじめ、インドやバングラデッシュなどの南アジアの国、アフリカ25か国、フランスなどで禁止としています。

日本での動向、SNSでみんなのエコ対策をチェック!

世界でプラスチックごみ対策が進む中、日本国内でも企業単位でプラスチック製のものを使用廃止にしたり、行政やボランティア団体が清掃活動をするなど、プラスチックごみに対する対策が進んでいます。

環境省では、「プラスチック・スマート キャンペーン」を実施し、一般消費者がプラスチックごみに対して何か取り組んでみたり、活動に参加したら「#プラスチックスマート」とハッシュタグをつけてSNSに投稿してもらうよう呼びかけています。専用サイトから、消費者がハッシュタグした各SNS(インスタグラム、フェイスブック、ツイッター)の投稿が見られるので、こんな取り組みもできるんだ!というような新しい発見があるかもしれませんよ。みんながしている対策を見て、さらに自分の意識が変わっていき環境問題に対する視野が広がるといいですよね。

参照

*1: 内閣府大臣官房政府広報室「プラスチック・スマート」キャンペーン

*2: 国連環境計画(UNEP)2018年レポート「UNEP Report on single use plastics」

*3: 株式会社みやこ「一般消費者の環境問題に関する意識・行動についての調査」

*4: 環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」

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