石木ダム完成目標変更 3年程度遅らせ 長崎県が検討

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、県側が2022年度とする完成目標年度を3年程度遅らせる方向で検討していることが21日、関係者への取材で分かった。30日に開く県公共事業評価監視委員会に諮問する見通し。
 事業着手から40年以上がたつ同事業を巡っては、これまでも完成目標時期の延期を繰り返している。15年には、16年度としていた完了年度を6年延長する工程表変更案を県公共事業評価監視委に示していた。
 同事業では今月、土地収用法に基づき県と佐世保市が未買収地約12万平方メートルの権利を取得。家屋など物件を含まない土地が対象だった19日に続き、物件を含む土地の明け渡し期限が11月18日に設定されているが、反対13世帯は応じない構えだ。
 関係者によると、県側は現状では22年度に完成が間に合わないとして、目標年度の変更を検討していた。中村法道知事は反対住民との約5年ぶりの面会後、報道陣に「改めて将来について(住民と)話し合う機会をいただければありがたい」と話しており、住民との交渉を進めたい考えもあるとみられる。

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