「動線美人生活」とは?
飛行機に乗り込んでからのCAの動きはまるで戦場にいるかのよう。
いつも見る優しいCA像とはまったく違います。
それぞれの業務が重ならないように今自分がなにをしているか声に出しながら、無駄なくテキパキ動いて1分1秒でも早く出発できるよう準備をしています。
そのために必要なのはCAたちが意識している「動線」。
プライベートでも役に立つ「動線美人生活のすすめ」をご紹介します。
「一度開けたところはもう開けない」
飛行機にはさまざまな収納スペースがあります。それを一つずつ開けて中身をチェックしていきます。
そこでポイント。「一度開けたところはもう開けない」ということ。
一度収納スペースの扉を開けたらそのタイミングで、
・そのスペースに入れたいものを入れる
・取り出したいものを出す
・同時に不審物がないかチェックすると、三つの動作を一気に終わらせます。
つまり一度開けたところを何度も何度も開けると、その分2倍3倍と時間を要してしまうので、「一度にさまざまなことを一気に行う」ということです。
これをプライベートの場面に置き換えてみましょう。
例えば、衣替えをするときは、目に入ったものから片づけていくのではなくブロックごとに見ていきます。
一番上の引き出しから順に見ていき、1度開けて整理したらもう開けないでもいいような状態にしてから閉めるようなイメージです。
それが終わったら次の引き出し、また次の引き出し、というように見ていくととても効率が良くなります。
部屋の片づけも同様です。あれこれ目に入ったものから順に手をつけていくと、余計に散らかってたいたなんて経験はありませんか?
ここのブロックをまず今日は片づけよう、と区切った上でひとつクリアにして次のブロック、また次のブロックというように見ていくことが大切。
「1回の動線を無駄にしない」
ビジネスクラスを担当するようになってから、なおさらお客様のパーソナルな空間の大切さを意識するようになりました。
パーソナルな空間とはお客様それぞれが過ごされたい時間や空間のことです。
特に長いフライトとなると、映画をご覧になられる方や横になってゆっくりお休みになりたい方など皆さんさまざまな過ごし方をしています。
パーソナルな空間のお手伝いをすることが私たちCAの仕事ですが、邪魔することはしてはいけません。
つまり、お客様とお話をするときは、何度も何度もお声掛けするのではなく、できるだけ1度に聞きたいことを聞くようにする、ということを意識していました。
例えば、手元の冷たい飲み物がグラスの残り3分の1になっているお客様がいらっしゃいます。
お声掛けするとしたらこうなります。
「お替わりはいかがですか?あたたかいコーヒーなどもご用意しております。」
「砂糖とミルクはいかがでしょうか?」
「よろしければチョコレートもご用意しておりますがご一緒にいかがですか?」
これをその都度伺っていたら、それは「邪魔」になってしまいます。
コンタクトをとるタイミングで一気に伺うこと、つまりこれが「1回の動線を無駄にしない」という考えです。
これをプライベートの場面に置き換えます。
冷蔵庫に戻すものがあった場合、冷蔵庫を開ける→しまう→賞味期限切れのものはないかついでに調べる→必要なものを取り出す。
朝起きたときは、布団から出たらそのままベッドメイキングし→ベッドの近くで充電していた携帯電話をかばんの中にいれ→かばんから今度は必要なものをとりだす。
隣の部屋に何かを持っていくときは、持っていくだけでなく、持って帰ってくるものやその部屋で確認したいことをイメージしてから行くようにするといった具合です。
このように「1回の動線を無駄にしない」ということを意識するだけで手際が格段に良くなります。
動線がうまくいくと得した気分に!
「動線を意識した生活」は初めはなかなか難しいのですが、癖づいてくるととても楽しくなってきます。
うまくいくと、効率よく動けたことに得した気分になりますよ!
旅行に行く際の荷造りや、片づけ、衣替え、料理、メイク、寝る準備、着替えるときなど、「動線」はありとあらゆる場面で意識することができます。
ぜひ日々の生活から「動線」を意識してみてください。
作業性がアップして手際がよくなるのはもちろん、頭の中まで活性化されるのでとってもおすすめです。