女子差別否定できない、昭和大学医学部入試で第三者委が最終報告

昭和大学の医学部入試で不当な差別があったとされる問題で、大学が設置した第三者委員会が「長期浪人生だけでなく、女子差別があったことを否定できない」とする最終報告書を提出していることが分かった。大学側は第三者委員会の聞き取りに対し「偶然の産物」などと答え、女子差別を否定している。

昭和大学が公表した第三者委員会の最終報告書によると、2013年入試の繰り上げ合格者の性別を調べたところ、総合順位146位以下で繰り上げ合格となったのは男子137人に対し、女子はわずか3人しかなかった。

2014年入試では総合順位166位以下の繰り上げ合格者が男子127人、女子6人。2015年入試の総合順位175位以下だと、男子122人に対し、女子は8人しかいなかった。2016年度入試の総合順位181位以下を見ても、男子92人に対して女子は6人だった。

大学側は女子差別を認めていないものの、第三者委員会は「大きな男女差が生じる合理的な理由は考えづらく、差別があったことを否定できない」と結論付けている。

文部科学省が2018年度に実施した全国調査で女子差別を確認できたのは、東京医科大学、順天堂大学、北里大学の3校。昭和大学は長期浪人生に対する差別を認めたものの、女子差別を認めなかった。

昭和大学は第三者委員会の最終報告公表で女子差別について触れていない。この点について、萩生田光一文部科学相は記者会見で「(男子の合格者が女子の)10倍、20倍の差がある。偶然に続いたのかどうか、大学が説明責任を果たしてほしい」と述べた。

参考:【昭和大学】昭和大学医学部入学試験に関わる第三者委員会報告について(PDF)

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