藤沢市、保育、医療備えた複合施設を整備 21年春開設へ

保育、医療、介護などの機能を備えた複合施設の完成予想図

 藤沢市は、民間資金活用による社会資本整備(PFI)の手法を活用し、保育、医療、介護機能を備えた複合施設を同市藤が岡2丁目に整備する。地域での子育て支援を強化するとともに、高齢化の進行に対応。病気の子どもを預かる病児保育室も設置する。2021年春の開設を目指す。

 建設場所は、市立藤が岡保育園や職員住宅などが立地していたエリア。同園の建て替えに合わせ、周辺地域に不足している行政サービス機能を含め一体的に整備する。PFI法に基づく特定事業契約締結後、18年12月に基本設計が完了し、今年1月に実施設計を開始。5月に既存建物の解体工事に着手した。

 約3100平方メートルの敷地に、地下1階地上3階建て、延べ床面積約4450平方メートルの施設を建設する。公共エリアには、保育園や放課後児童クラブなどが入居。民間収益施設には、小規模多機能型居宅介護施設、小児科クリニック、歯科クリニック、薬局、フィットネススタジオを開設する。

 建て替え後の藤が岡保育園は定員を従来の120人から154人(病児保育、一時預かり保育を含む)に拡充。親子が気軽に集い相互交流する「つどいの広場」、就学前児童や小学生が図書コーナーや遊具を利用できる「地域こどもの家」も設置する。

 小児科クリニック、歯科クリニック、薬局については、民間収益施設の所有者である特別目的会社(SPC)の構成員と入居予定者の間で入居の合意に至っているという。

 保育や医療をはじめ、介護、子どもの居場所など地域の多様なニーズを踏まえた複合施設の建設は市で初めてのケースという。市は地元説明会を経て、9月に実施設計を終え、10月上旬に建設工事に着手。21年4月の供用開始を予定している。

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