“フェアでないアンダーカット”で勝利を逃したルクレールが無線で怒り。フェラーリ代表は「予想外の事態」と説明

 2019年F1シンガポールGP決勝で、フェラーリのシャルル・ルクレールは2位だった。

 ポールポジションのルクレールはソフトタイヤでスタート、20周目にハードに交換する1回ストップで走った。前半レースをリードしていたルクレールだが、1周前にタイヤ交換を行ったチームメイトのセバスチャン・ベッテルにアンダーカットされ、ピットストップ後はベッテルの後ろに下がってしまった。

 これに憤ったルクレールは、走行中に無線で「冷静に走るけど、僕の気持ちを知っておいてほしい。アンダーカットされたのは納得いかない」「馬鹿なことをするつもりはない。1-2フィニッシュしたいと思っている。ただ、これはフェアじゃない」とチームに訴えた。

 レース後、チーム代表マッティア・ビノットは、これについて次のように説明している。その時3番手走行中のベッテルが2番手を走っていたルイス・ハミルトンをアンダーカットするチャンスがでてきたこと、後ろのマックス・フェルスタッペンがピットストップすることが分かり、ポジションを守る必要があったことから、ベッテルを先に入れたという。チームは、翌周にピットインするルクレールは、ベッテルの前でコースに復帰するものと予想していたが、ベッテルがコースに戻ってすぐに非常に速いペースで走り、予想外のギャップを築いたため、アンダーカットする結果になったということだ。

2019年F1第15戦シンガポールGP 優勝したセバスチャン・ベッテルを2位のシャルル・ルクレールが祝福

■スクーデリア・フェラーリ
シャルル・ルクレール 決勝=2位
 チームにとってポジティブな週末だった。シンガポールに向けて大きな期待を抱いてはいなかったから、1-2を飾ることができたのはうれしい驚きだ。チームのハードワークが報われつつある兆候でもある。

 もちろん僕自身は、2位という結果になって少しがっかりしている。ただ、僕らのレースの目標は、チームが最大限の結果をつかむことであり、それを実現することはできた。その点はよかったよ。

 僕らには大きなポテンシャルがある。残りの6戦でベストな仕事をするため、この方向を維持して取り組んでいこう。次のロシアを楽しみにしている。

(レース後にSky Sports F1に語り)彼がピットインすることは知らなかったから、びっくりした。でも、これが1-2を実現する唯一の方法だったのだろう。それなら理解できる。走行中は悔しかったけどね。
 普通はチームメイト相手にアンダーカットすることはない。だから、僕の方が早くピットストップすることは不可能だったのだろうが、状況をきちんと知りたい。

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