2019年F1シンガポールGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは4位だった。
2番グリッドからソフトタイヤでスタートしたハミルトンは2番手を走行、上位勢のなかでは最も遅い26周目にハードに交換した。この戦略は成功せず、ポジションを落としてコースに復帰し、結局一台もオーバーテイクできないままフィニッシュする結果になった。
トラックサイドエンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンは、上位勢のなかで最初にピットインしてトップ走行中のシャルル・ルクレールをアンダーカットすべきだったと認めている。実際にはそのチャンスを逃したため、レース終盤にライバルたちのタイヤが機能しなくなることに期待して、ハミルトンがいったんポジションを落とすのを承知でステイアウトさせたという。しかし結果的にセーフティカーが連続して出動したこともあり、ハミルトンが再度浮上するチャンスはめぐってこなかったと、ショブリンは悔しがっている。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
ルイス・ハミルトン 決勝=4位
こんな週末になるなんてがっかりだ。ファーストスティントではシャルルのすぐ後ろを走っていた。今日は勝てるだけの速さがあったと思う。
今朝の戦略ミーティングで、アンダーカットの可能性について話し合い、僕は「リスクを取って戦いたい」と言ったんだけどね。
実際はフェラーリが先にピットストップし、僕らは反対の戦略でステイアウトすることになった。必死にプッシュし、最初のころはタイヤの感触もよかったけれど、数周たつとタイヤはどんどんだめになっていった。
今夜、僕らはミスを犯した。でもチームとは、勝つときも負けるときも団結するものだ。誰かを非難したりはしない。それが僕らの哲学であり、たった一度のレースで変わるようなことはない。
ライバルのフェラーリは、ハングリーで、必死にプッシュしている。僕らひとりひとりがもっといい仕事をしなければならない。この後のミーティングでじっくり話し合い、次のレースでまた戦うよ。
(formula1.comのインタビューで語り)アンダーカットしにいくべきだったのは分かっていた。今朝も皆に「リスクを取って戦おう」って言ったのに、彼らはそうしなかった。今日は楽に勝つことができたと思う。でもうまくいかなかった。