MotoGPアラゴンGP:中上、4戦ぶり10位フィニッシュ達成も「課題を残すレースとなった」

 MotoGP第14戦アラゴンGPで、10位フィニッシュを果たした中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)。リヤのグリップに苦しみ、また、予選日、決勝日ともに路面状況が一定ではない状況でセッティングを強いられるなか、久々のトップ10入りを果たしてポイントを獲得した。

 中上は、Q1から挑んだ予選でQ2進出を逃し14番手。朝方に降った雨の影響で、フリー走行3回目ではウエットコンディションから次第にドライへと路面状況が変わるなかで行われ、完全なドライコンディションでの走行とはならなかった。サンマリノGP同様に、リヤタイヤのグリップを引き出すのに苦心してもいた。

「リヤのグリップ不足については、前戦ミサノより路面コンディションがいい分、軽減されていますが、今大会は、自分のコメントとデータをしっかり照らし合わせ、問題点は明確になってきました」

 中上は予選を終え、「明日に向けて解決策のアイデアがあるので、ウオームアップでしっかりと確認して決勝に挑みたいです」と決勝レースに向けて語った。

レース序盤にミス。ポジションを落としたものの、終盤には10番手争いを演じた

 しかし、決勝日も朝方に雨が降り、ウオームアップ走行はウエットコンディションで行われることになる。このためドライコンディションが想定されていた決勝レースに向け、セッティングが思うように進まなかった。

「今日は朝のウオームアップがウエットとなり、セッティングの変更を確認できなかったことが決勝に影響した」と中上は振り返る。

 その決勝レースではスタートで失敗したという中上。オープニングラップは11番手で終えたものの、2周目にダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム)を交わした際、オーバースピードになってしまったという。中上は13番手に後退し、終盤まで我慢のレースが続いた。

 終盤にはペトルッチ、アンドレア・イアンノーネ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)、ミゲール・オリベイラ(KTMテック3・レーシング)の10番手争いの集団に加わり、これを制して10位でフィニッシュ。4戦ぶりにトップ10以内でチェッカーを受けた。

「なんとかトップ10フィニッシュという目標を達成することができましたが、想定していた1分49秒台の走りができず、課題を残すレースとなりました。今日はフロントにミディアム、リヤにソフトをチョイスしました。タイヤ選択はよかったと思いますが、グリップの改善という点では大きなステップを刻めませんでした」

 それでも、タイヤのグリップが厳しくなるレース終盤に集団のなかで戦い、この集団のなかのトップでゴールできたことは収穫ある結果だったはずだ。トップ10にも帰ってきた。次戦タイから始まるフライアウェイラウンドには母国グランプリの日本GPも含まれる。アラゴンGPの結果から弾みをつけていきたいところだろう。

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