広島緒方監督が明かす永川先発の舞台裏「真剣勝負を」劇的サヨナラ勝ちで3位前進

広島・緒方孝市監督【写真:荒川祐史】

延長10回に會澤が勝負を決めるサヨナラ適時打を放つ

■広島 4-3 中日(23日・マツダスタジアム)

 広島は23日、マツダスタジアムで行われた中日戦にサヨナラ勝ちした。延長10回、1死満塁の場面で會澤がセンター前に落ちるサヨナラ打。4位中日との直接対決に勝利して70勝に到達したチームは、4年連続となるクライマックスシリーズ(CS)進出に大きく前進した。緒方監督は「厳しい試合だったが、全員の力で勝ち切れた。ナイスゲーム」と満足そうだった。

 この日のゲームは球団歴代最多の165セーブを記録した永川勝浩投手の引退試合として行われた。永川を打者1人限定の先発投手として起用した指揮官は「順位のかかった大事な時期だし、与田(剛中日監督)さんに真剣勝負をお願いした。本人もそれを望んでいた」と舞台裏を明かした。永川は先頭打者の大島をファーストゴロに打ち取り、スタンドの大声援を受けて降板した。

 大島の当たりは一、二塁間寄りの鋭い打球だったが、緒方監督は「松山がよく捕ってくれたし、永川も遅れずにベースカバーをしっかりやった。最後まできっちり仕事をして、若い選手にも見習ってほしい」と元守護神を称賛し、「いい形で送り出すことができた」と勝利を喜んだ。

 9月に入り12勝5敗、優勝争いをしていた巨人、DeNAを相手に4連勝中とCS圏内へ猛追してきた中日に競り勝ち、3位以上の座をほぼ確実なものとした。最終戦の中日戦に勝利すれば、文句なしでCS進出が決まる。緒方監督は「残り1試合、全力で悔いを残さないように戦うだけ」と気合を入れた。(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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