F1第15戦シンガポールGP決勝 トップ10ドライバーコメント(1)

 2019年F1第15戦シンガポールGP決勝で10位〜6位に入賞したドライバーたちが日曜日を振り返った。

■アルファロメオ・レーシング
アントニオ・ジョビナッツィ 決勝=10位

2019年F1第15戦シンガポールGP アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)

 激しく戦い抜いたレースだった。僕自身とチームのために、1ポイントを持ち帰れたことに満足している。ただ、もっと上位でフィニッシュできたはずだという気持ちもある。ミディアムでの最初のスティントを引っぱりすぎたようだ。まあ、あと知恵であれこれ言うのは簡単だけど、もう少し早めにピットに入っていたら、おそらく(ランド・)ノリスを抜いて7位に入っていただろう。

 タイヤのライフが終わる頃にはずいぶん苦戦したし、ダニエル(・リカルド)との接触も痛かった。それ以降、フロントサスペンションにダメージを抱えて、走り続けなければならなかったからだ。ステアリングが絶えず片側に取られる状態で、本当に厳しかったよ。だけど、どうしてもポイントが欲しくて、このポジションを守るために最後まで戦った。

 一時レースリーダーになって、フェラーリやメルセデスと争う立場に立ったのは、最高の気分だった。家族の誰かが、あの時のタイミングモニターの画面を写真に撮っておいてくれたらいいんだけど!

■ルノーF1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=9位

2019年F1第15戦シンガポールGP ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)

 望んだとおりのレースにはならなかったものの、一応の収穫はあって良かった。1周目に(カルロス・サインツJr.との)接触があって、厳しいレースになるのは覚悟していたが、その後も冷静さと根気を維持して、何とか2ポイントを獲ることができた。

 最初のセーフティカーは、僕にとってはちょっとラッキーだった。いいタイミングでミディアムに交換して、順位を上げることができたからね。ここでのレースは毎年何かが起きるから、とにかく生き残っていることが重要だ。このコースではとても難しいオーバーテイクもうまくいった。それに関しては満足してもいいだろうね。

■レッドブル・トロロッソ・ホンダ
ピエール・ガスリー 決勝=8位

2019年F1第15戦シンガポールGP ドライバーズパレードでのピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)

 すごく楽しいレースだったよ! 最初のセーフティカーのタイミングはあまりよくなかったが、終盤はかなりエキサイティングなレースになった。

 序盤は順調で、その時は知らなかったんだけど、ピットストップの前に2周ほど2番手を走っていたようだ。すごいよね!

 セーフティカーが出動したことで3つか4つポジションを落としたのは悔しかった。でも、キミ(・ライコネン)をオーバーテイクするために全力を尽くし、ケビン(・マグヌッセン)やランス(・ストロール)相手に最高のバトルをした。その結果、ポイントを稼ぐことができて本当にうれしい。

 タフなレースだったけれど、チームのためにいい結果を出すことができた。今、コンストラクターズ選手権のポジション争いがかなり接戦になっているだけによかったと思う。

 チーム全体の取り組みに満足している。週末ごとに改善し、進歩しているんだ。今後のレースでもこの調子で努力していくよ。

■マクラーレンF1チーム
ランド・ノリス 決勝=7位

2019年F1第15戦シンガポールGP ランド・ノリス(マクラーレン)

 最後にはいいレースができて、ポイントも稼げた。僕にできることは、ほとんどやりきったと思う。これ以上はないというスタートを切れたのに、前のドライバー全員のペースが遅くて、どうすることもできなかった。誰もがタイヤを守ろうとして、そういう戦い方をしていたんだ。

 その後、何度かセーフティカーが入って、救われたこともあれば、損をしたこともあった。つらかったのは、セーフティカーのおかげで、僕よりソフトで、しかもずっとフレッシュなタイヤを履いた(ニコ・)ヒュルケンベルグと(ピエール・)ガスリーに背後に迫られたことだ。特に終盤の数ラップは、かなりのプレッシャーをかけられた。結果として、プッシュすることを強いられたけど、それはむしろ楽しかった。それまでずっと、すごく遅いペースで、ただドライブしているだけのレースだったからね。

 今日は2台揃ってポイント圏内に入れると思っていたので、カルロス(・サインツJr)がスタート直後に、ヒュルケンベルグにヒットされたのは残念だ。チームとファクトリーの人たち全員のハードワークに、心から感謝したい。

■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
アレクサンダー・アルボン 決勝=6位

2019年F1第15戦シンガポールGP 決勝前のアレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

 レースのほとんどの周回をタイヤマネジメントに集中して走った。だから予想していたよりも身体的には辛くなかったよ。きつさを感じたのは、本格的にプッシュした最後の20周だけだった。

 6番手からスタートして6位でフィニッシュしたこのレースは、“マネジメントの戦い”だったと思う。時々、レースというよりパレードのような感じがした。

 ずっとメルセデス(バルテリ・ボッタス)の後ろで走らなければならず、フラストレーションが溜まった。コース上でオーバーテイクするのは無理だから、ピットストップで前に出ることができればいいなと思っていたが、残念ながら実現しなかった。セーフティカーが何度か出たしね。

 レース中盤、バルテリをオーバーテイクしようとしたが、メルセデスを追い抜けるだけのペースはなかった。そのため、レースの最初から最後まで、シルバーのリヤウイングを見つめながら走ることになった。あまり楽しくはなかったよ。彼がプッシュすれば僕もプッシュする、彼がタイヤをセーブしている時には僕もタイヤをセーブする、といった感じだった。バルテリの動きによってペースが左右されていて、前を走っているルイス(・ハミルトン)のポジションを守るために彼は僕を抑えつけているんじゃないかとすら思った。

 それでもシンガポールでの初レースはポジティブなものだった。ペースの向上が見られたし、僕自身、進歩したと思う。レース中にも、ペース向上につながる技を探して走った。

 今回、タイの国旗を振ってくれている人が大勢いたことに驚いた。シンガポールでのレースは素晴らしい経験だった。

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