<イチから分かる ニュース深掘り>概算要求ってなに? 内閣府、財務省に沖縄関係予算3190億円提示

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予算執行までの流れ

 -沖縄関係予算の概算要求があったという記事を読んだよ。概算要求って何?

 「国の予算を決めるプロセスの一つだよ。国土交通省や文部科学省といった国の各省庁が『来年度はこのくらいのお金が必要だ』という大まかな金額を財務省に示す作業なんだ。財務省は、国のお金をどれくらい集めて、どのように使うかを決めるところだよ。各省庁は来年度にどんなことに取り組むか、これまでの取り組み(事業)に見直しの必要はないかなどを確認して、必要な経費の見積もりを出していて、例年8月末までに行うことになっているんだ」

 -概算要求基準って?

 「各省庁が概算要求できる上限額のことで『シーリング(天井)』ともいうよ。上限を決めないと各省庁の要求額が膨れ上がってしまうから、あらかじめ財務省が中心となって上限額を決めておくんだ。この基準に沿って各省庁は概算要求するよ」

 -概算要求をしたら予算が決定するの。

 「まだ決定ではないよ。財務省は、概算要求を基に各省庁に意見を聞いたり、調整したりして、その予算が本当に必要なのか判断するんだ。その後は財務省が予算原案を作り、各省庁に内示する。年末には財務大臣が、全大臣が集まって国の方針を決める『閣議』に予算案を提出し、政府案として閣議決定するんだ。そして年明け以降、政府は国民の代表が集まる『国会』に予算案を提出し『これでいいですか』と確認する。国会が中身を審議して『いいですよ』と可決すれば成立し、4月以降に実際に予算が執行されるよ」

 -そうなのか。ところで沖縄関係予算って何?

 「沖縄は、沖縄戦で大きな被害を受けた歴史的事情や、本土から離れた島しょ県という地理的事情、在日米軍施設の集中という社会的事情といった、特殊事情を抱えている。そうした事情による本土との格差是正などを目的に、沖縄振興特別措置法(沖振法)が作られたんだ。沖振法を根拠に沖縄の振興を進める予算を沖縄関係予算と呼んでいるんだよ」

 -他の県の予算とは何か違うの?

 「県の収入(自主財源)では足りない分を国からのお金で補うという点は同じだけれど、予算獲得までのルートが大きく異なっているよ。他県では必要な予算の分野ごとに各省庁へ予算を要望する。これを国庫要請というけれど、国庫要請を受けた各省庁が財務省に概算要求して、省庁ごとに意見を言ったり、調整したりしているんだ。一方で沖縄の場合には、必要な予算は内閣府が一括計上し、内閣府がまとめて財務省に意見を言ったり、調整したりしているんだ」

 -なぜ一括計上するの。

 「沖縄は戦後27年間、米国の施政権下にあった事情から、他の都道府県より取り組みが遅れているところがあるんだ。だから国の事業を全体的に把握し、進み具合を調整するために一括計上しているよ。一方で他県にはない方式だから、他県と同様の国からの補助金・交付金に沖縄関係予算が上乗せされていると誤解されることもあるんだ」

 -予算獲得に向けて、県は何をするの?

 「まず、県としては必要な予算額を見積もり、内閣府に要請しないといけない。そのため、県は5月に市町村との意見交換会を開くなど、事業の進み具合や課題を確認するよ。今回は市町村の意見などを踏まえ、県は全体で3500億円規模を求め、8月上旬に内閣府へ国庫要請をしたんだ」

 -その後は?

 「県の国庫要請を受け、内閣府は予算額を決定して8月末に財務省へ概算要求したよ。今回はその概算要求額が3190億円で、県の要望額より300億円くらい低かった。また中身の部分では、県は使い道の自由度が高い一括交付金を1800億円規模で求めていたけれど、1188億円にとどまり、これまでで最少となったんだ。そのため、県は一括交付金の拡大を含め、概算要求額の満額確保に取り組むとしているよ」(政経部・仲村時宇ラ)

 

(写図説明)予算執行までの流れ