胃がん検診AI支援 22年実用化目指す

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AIメディカルサービスがすでに研究開発を進めているAIによる内視鏡検査診断支援システムの画像。胃がん部位をマークして表示している(川崎市産業振興財団提供)

 人工知能(AI)開発企業と川崎市内の医療機関などが協力し、医師による胃がん内視鏡画像の診断をAIにサポートさせる日本初のシステム開発に挑んでいる。医療技術の進展で、読み取るべきデータ量が膨大になる中、「AIによる支援で医師の負担を軽減するとともに、胃がんの早期発見や見落としの防止につなげたい」と関係者は期待を込める。開発したシステムで実証実験を行い、2022年の実用化を目指す。

 プロジェクトに取り組むのは、内視鏡画像診断の支援AI開発に取り組むAIメディカルサービス(東京都豊島区)とがん研有明病院(同江東区)のほか、川崎市内に付属病院を持つ聖マリアンナ医科大、日本医科大と市内の医療機関。市産業振興財団がマッチング役を担った。プロジェクトは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の本年度の助成事業にも採択されている。

 胃がんの内視鏡検診では精度を高めるために複数の医師による合同読影会が行われるが、医療機器の向上で内視鏡の画像データが増加。読影に臨む医師は1日3千枚もの画像チェックに追われているのが現状で、医師の負担軽減が課題となっている。

 今回のプロジェクトでは、協力先の市内各医療機関の医師が病変場所をマークした内視鏡の静止画像を集め、がん研有明病院、日本医科大、聖マリアンナ医科大の医師らが確認した上でAIに学習させていく。

 AIメディカルサービスは内視鏡の動画映像で病変の場所をマーキングする技術も開発しており、今回のプロジェクトで静止画データも蓄積することにより、胃がん検診の精度を一層高めていく。

 AIメディカルサービスと医療機関とのマッチングを担った市産業振興財団ライフサイエンスチーフコーディネータの松川泰久さんは「検診の精度を上げる日本初のシステムを川崎発で作り上げ、世界展開を目指していきたい」と話している。