飛田給熱中行軍! ラグビーワールドカップで死の彷徨 2020東京五輪で観客が熱中症死するこれだけの理由

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ついに始まりましたラグビーワールドカップ! 見ましたかロシアとの開幕戦! ガチムチイケメン松島幸太朗のハットトリックで快勝し日本国中が大!熱!狂! でしたよね! ね!?

「千葉が台風で大変なこの時期に何しとるアベ死ね!」「日本代表なのにメンバー外国人ばっかやんけ!」などといった逆張り水差し野郎の批判はさておき、チケットは全試合がほぼ完売、そこそこ期待通りの盛り上がりを見せているようで、森元首相(前日本ラグビー協会名誉会長)を筆頭とした運営サイドもホッと胸を撫で下ろしていることでしょう。

ラグビーワールドカップは五輪/パラ五輪・サッカーW杯と並ぶ世界三大スポーツの祭典として地球規模の人気を誇るビッグイベントなんですが、日本初開催となった本大会は「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」と大仰な公式コピーが示す通り、日本ラグビー界、ひいては日本スポーツ界の威信をかけた重要な大会なんですね。44日間におよぶ本大会期間中には、世界中から40万人もの訪日観光客が見込まれているそうです。来年には東京五輪が迫っていることもあり、その前哨戦といった意味合いもありそうです。

一生に一度の国際的スポーツイベントとは一体どれほどのものなのか。東京五輪のシミュレーションも兼ね、筆者も5歳の息子を連れて、開幕2日目のフランス対アルゼンチン戦(9月21日)に行ってきました。会場の東京スタジアムは、五輪の競技会場にもなっていますよね。

筆者がこのチケットをゲットしたのは9月15日。大人7,000円、こども2,500円の最安ランクの席です。現在はどの試合のどの席もほぼ完売状態となっていますが、一週間前にスマホポチポチしまくればギリギリ買えた、という現実を皆さんにはお伝えしておきたいですね。

会場は京王線飛田給駅から徒歩5分ほど……のはずですが、試合2日間に届いたチケッティングインフォメーションによれば、

「試合開催当日は、交通規制があり、会場周辺が多くの観戦者で混雑するため、入場の際の手荷物検査、ボディチェック等に60分以上かかる場合がございます。遅くともキックオフ90分前には入場ゲートにお並びいただきますようお願いします」

所要時間12倍ですよ12倍。筆者は念のため2時間前に駅に到着したわけですが、すでに駅前から会場周辺まで芋洗い状態です。真っ昼間からビールがぶ飲みしている屈強な外国人観光客に囲まれながらのそのそ牛歩すること約1時間……子連れは正直きついです。すぐぐずるし。

スタジアムはすぐそこに見えているのに遅々として進まない行列……猛暑が予想される東京五輪で同じ状況になったとしたら、たぶん死人が出ます。熱中症で。トイレもおちおち行けないので、お漏らし難民も多発するでしょう。水分を補給しなければ熱中症、補給しすぎればお漏らしです。

どうにかこうにか会場入り口に到着すると、ここで持ち物検査とボディチェックです。飲食物はすべて持ち込み不可。熱中症対策で持参したペットボトルももちろんここで没収されます。会場にたどり着く前に飲みきりましょう。

ちなみに当日は台風17号の影響で雨予報だったんですが、筆者が持参したビニール傘は当然没収されました(折り畳み傘はOK)。これは想定内だったのですが、高い傘は間違っても持っていかないようにしましょう。もし雨が降ったなら、ポンチョでずぶ濡れになっていくしかないですね。

スタジアムに入り、席に着く前にまずはドリンク・フードでも……と売店を見ると、ここでも長蛇の列です。この大会のためだけに寄せ集められた急造バイトは無駄に美女揃いですがすこぶる手際が悪いです。スポンサーがらみで「マスターカード使えますよ!」と宣伝していますが、急造美女バイトのオペレーションでは現金より確実に遅くなるので極力使わないようにお願いしたいですね。

フードもドリンクも売り切れ続出! なにも買えない!」などtwitterでも多数の苦情が報告されていますが筆者も例に漏れず、開始1時間前にもかかわらず、フードは品切れ多数。ソフトドリンクにいたっては「水」と「グリーンダ・カ・ラ」(ともに250円)しか残っていませんでした。大会開催2日目(残り42日)にしてすでに品切れ起こすというていたらくには笑うしかありません。

ビールはハイネケン350ml缶を紙カップに移して700円です。隣の売店では同じものが1,000円で売られていましたが、この値段の違いはちょっとよくわかりません。「ワールドワイドパートナー」ことハイネケンがスポンサードしているためビールだけは潤沢に在庫があるようですが、フードもなしにビールだけ飲んでいたら死にそうです。ハイボール、チューハイは350ml缶で600円。チューハイはもちろん、ストロングゼロ9%です。

イベント会場の飲食物がぼったくり価格になるのは致し方ないことですが、飲食物完全持ち込み禁止、かつ水を1杯買うのに30分以上も並ばなければいけないとなれば、これは生命の危機です。

繰り返しますがこれがもし猛暑の東京五輪だったら……仮に熱中症の症状が出た場合、40分以内に体温を下げることが急務となってきます(日本スポーツ振興センター)。しかも売り切れの可能性もある、となれば死亡リスクはより高まります。死にたくなければ、トイレの水を飲むしかありません。そして絶望的なことに、男子トイレすら混んでいる!

東京五輪では小池百合子都知事があれこれ対策を講じているようですが、かぶる傘や打ち水よりも、まずはいつでも水を飲めるようにしていただきたいですね。アクアクララにスポンサードしてもらいましょう。

さて、ほうほうのていで買い出しを済ませ、ようやく着席。5万人の大観衆のなか展開された白熱の試合は言うまでもなく最&高!なわけですが、あの売店の行列を思うとハーフタイムに追加で何かを購入する気にもなれません。

スタンドにもハイネケンの売り子がときたま出没するのですが、売っているのはもちろん、ビールだけです。水やソフトドリンクは売っていないので、子供やアルコール飲めない方は飢え死にします。さらに、エンカウント率は低く神宮球場ヤクルト戦の10分の1以下(体感)。当然ながらちょうどいいタイミングで現れてくれるはずもなく、後半戦はほぼ飲まず食わずのストイックな観戦を強いられることになりました。

選手たちは文字通り命がけのパフォーマンスで大会を盛り上げているというのに、サポートするべき運営サイドは大人の事情ばかりを優先しているようで、お金を払って見に来ている客への配慮はみじんも感じられません。テレビ観戦を推奨しているのでしょうか?

しつこいようですが来年の東京五輪で同じ轍を踏むようであれば、歴史的大失敗は目に見えています。訪日観光客は4,000万人ともいわれており、ラグビーW杯の実に100倍! 予想される被害も100倍!

こんなお粗末な体験は一生に一度にしていただきたいですね。(取材・文◎佐村豪志)