14日に左膝の分裂膝蓋骨の手術、術後の経過は「順調だと思います」
エンゼルスの大谷翔平投手が24日(日本時間25日)、本拠地アスレチックス戦の前に記者会見を行った。13日(同14日)に左膝の分裂膝蓋骨の手術を行ってから初めて取材に応じ、来季の二刀流復活に向けて「楽しみ」と意欲。一方で、打者に専念して106試合出場、打率.286、18本塁打、62打点、12盗塁という成績だった今季については「悔しいの一言」と胸中を吐露した。
この日はギブスをつけて会見に現れた大谷は全治8~12週間の予定。今後、医師の許可が出れば膝を動かすなどのリハビリを開始し、術後10週間をメドにブルペンでの投球練習を再開する予定だ。
以下が日米メディアに対応した大谷の一問一答。
【米メディア】
――膝の調子は?
「順調だと思います」
――いつ手術を決断した?
「手術する2日前から3日前ですね」
――回復までの過程は?
「そんなに来年に間に合うか間に合わないかという感じではないので、早めにいい状態に持っていって、肘のリハビリも含めて来年にしっかり合わせたいなと思います」
――膝が問題なければシーズン最後まで戦いたい強い気持ちがあった?
「もちろんそうですね。できればというか、普通に考えたらシーズンの終わりまでしっかりやりたいのが選手ですし、それが普通じゃないかなと思いますけど、ポストシーズンの可能性もなくなったので早めにやるというチームの方針かなと思います」
――キャンプ中から気になったというが、シーズン中はどのくらい気になった?
「そこそこ走れてましたし、例えば今回やらなかったとしても来年もある程度はできるんじゃないなという感じだったとは思うので。ただ、そこに満足することなくもっと高いレベルでやりたいなという気持ちはあるので、そのための手術かなと思います」
――初めてそういう状態だと知った? 前から知っていた?
「二分性膝蓋骨だというのはある程度というか、レントゲンとか見れば分かることなので、それが痛むかは人それぞれだったりとか、進行具合だったりとかという感じなので、それ次第かなと思います」
――初めて知ったのはいつ?
「毎年毎年そうですね。成長期の過程で塞がらなかったら塞がらないというだけなので、いつとかはなくて。まだ塞がってないね、塞がらないねと。多分、成長は止まっているので、塞がらないのではないかという感じです」
――シーズン中に痛みは?
「痛みはありましたね。なかったら手術しないので」
今季はポストシーズンかかる後半戦に失速「悔しいなと思ってました」
――来年シーズンに向けて二刀流で完全復活するのは楽しみ?
「楽しみではありますね。万全の状態で行くという判断を含めての早めの手術だったので、その期間を無駄にしないように、1日1日大切にしたいなと思います」
――今シーズンのパフォーマンスを振り返って。
「悔しいなという一言かなと思いますね。成績もそうですし、プレーしている感覚とかもあまり調子が上がらないなという期間が長かったので、やっぱりそこが一番もどかしかったかなと思います」
――オフ自体が短くなってしまうが心配は?
「そこまで心配はしてないですね。去年もほぼバットを振ってないですし、あまり考えないでいいのかなと思いますね。決まってるものをしっかりやりたいなと思ってます」
――来年は開幕から週に1回登板、1週間に4試合くらい出られる?
「僕自身は出られると思ってますし、そういうふうに進んでいくために頑張っていきたいと思っているので。ポジションが確約されているわけではないですし、毎年毎年勝負だなと思っている」
――肘のリハビリと膝の状態で今季への影響はあった?
「どうですかね。それは今年、万全な状態というか手術をする必要がない状態でやってはいないので、それがどういうふうに影響しているかは正直分からないですけど。その悔しさを来年しっかりぶつけたいなと思います」
――打撃面で一番辛かったことは?
「7月中盤から後半にかけてチームにとって大事な時期だったのかなと。そこ次第でポストシーズンを戦えるか戦えないか決まると思っていたので、ちょうどそこの期間に打てなかったというか、打てないことに対して悔しいなと思ってました」
――いつから投球再開できる?
「軽めのはもうすぐに始まると思います」
【日本メディア】
――ご自身で今の状態は?
「10日間くらいですけど順調にきていると思います」
――手術直前まで試合に出ていたが、どういう痛みがあったのか?
「走るのだったりとか、振るのもそうですけれど気になるなと。そんなひどい痛みという感じではなかったですが、そういう感じです」
――手術に踏み切る決断はいつ頃、どういう形で?
「ある程度痛みは続いていたので、(手術)やるならこのオフかなという感じはずっと持ってやっていました。タイミング自体はチームがポストシーズンに出られなかったので、チームからどうだと言われて、僕もそうだなと」
――肘のリハビリと膝、どのようなスケジュールで進めていくか。
「膝のリハビリはもう始まっているというか、やるので、心配していないですけれど、膝に関してはもう一回状態を見ながらになると思うので、この1か月、2か月が大事かなと。膝が治った後の登板のリハビリももう一度強度上げてやるので、そこが大事じゃないかなと思います」
――今シーズンは打撃だけに専念だったが、どんなシーズンだったか?
「個人としても、チームとしても悔しいシーズンだったなと思います。ポストシーズンも行けなかったですし、個人の成績も、んー。やっぱり悔しい結果だったかなと思います」
――その中でホームラン18本、打率も、結果はしっかり残せたと思うが。
「その数字は結果的に残って、その数字に対して満足感が少ない。数年前だったら満足したこともあったかもしれないですが、そこが唯一良いことじゃないかなと思うので、まだまだうまくなれる可能性が、その気持ちがあればあるんじゃないかなと思います」
二刀流復活の来季へ向けて「一番はやはり万全の状態で、というところ」
――来シーズンは投打の復活が期待されている、抱負は?
「万全な状態で、まずはキャンプから入れるように、今の時期からしっかり準備したいなと思います」
――走塁時の痛みはシーズン中に増してきたのか?
「痛かったり痛くなかったりという感じじゃないかなと。すごくひどくなってきたという感覚もなく、良くなったりもしますし。悪くなる時もあったので、シーズン通してそういう波があったかなと思います」
――パフォーマンスに影響したという思いはあったか?
「シーズン通して160試合くらいあるので、それを全部痛みなくこなすという方が珍しいのかなと思いますし、誰しもが痛みを抱えながらやっていると思うので、そこは特に何の言い訳にもならないかなと思います」
――打者専念で得たものは?
「技術に関して、フィジカルに関してもそうですが、そういうところに関しては今さら言うまでもないかなと思いますが、悔しい気持ちがあることが一番いいことじゃないかなと思います。その気持ちをもってオフシーズンしっかり練習したいなと思ってます」
――2年目の今季は研究し、されたと思うが、そのあたりの難しさはあったか?
「2年目だからということはないですが、レベルも高いですし、もう一回再確認するのと、その中で自分がやれることをやったときはいい結果が残っているのも事実なので。そういうところを一回一回、ここは良かった、悪かったなというのが今年もいっぱいあったかなと思います」
――思い出深い試合やシーンは?
「どうですかね、最後の試合は手術する前でしたし、ポストシーズンがなくなった試合もそうですし……全体通してなかなか思い通りにいかない試合が多かったので。今までのシーズンの中では一番悔しいシーズンだったかなと思います」
――来シーズンは今年を超えてという思いは?
「それは毎シーズン、怪我した、しない、手術した、しないに関わらず常に思っているので。毎年毎年うまくなって次のシーズンに入りたいですし。去年の数字を超えるために練習して次のシーズンに入ろうと、その気持ちは変わらないと思います」
――キャンプでは走り込みする姿を見かけなかった。膝の状態の影響か?
「そうですね、そんなにいっぱい走るということはないですけどね。野手をやっていればゲームの中で走ることも多いので、そこと差し引いてもというのはあります。痛みの起伏もあるので、疲労によってそこも考慮しながらのランニング量かなと思います」
――来年に向けて一番の課題は?
「一番はやはり万全の状態で、というところ。不安なくしっかりプレーできる中で得られるのが一番いい反省材料だと思うので、まずはそこをしっかりやりたいなと思います」(小谷真弥 / Masaya Kotani)