【台風15号】一部損壊、国が特例補助 1万戸超、早期復旧へ公費の9割

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被災した住宅の屋根を覆うブルーシート=23日午後1時20分ごろ、館山市布良

 台風15号による千葉県内の住宅被害の深刻さを踏まえ、政府は24日、現行制度では国の支援の対象外である「一部損壊」について、特例的に救済することを正式に決めた。屋根が飛ばされるなどの一部損壊が多数発生しているため、被災者の不安を払拭(ふっしょく)し、早期の復旧につなげる狙い。修理費の公費負担分のうち9割を、国の交付金や特別交付税で賄う。特別交付税での支援は初めてという。県内の住宅一部損壊被害は、県が同日午後4時までに把握した分だけで、52市町村の計1万1413戸に上っている。

 災害救助法などによる国の支援対象は通常「全壊」「半壊」の住宅のみで、一部損壊の場合の修理は全額自己負担が原則。ただ、今回の台風では、県内で一部損壊の被害戸数が全・半壊と比べて圧倒的に多く、現状約9割を占めることから、特例として国土交通省の防災・安全交付金と総務省の特別交付税を活用する。

 自治体が修理費用の一部を支援する場合、国はその半額を同交付金で支援。今回は初めて、残り半額のうち8割も特別交付税で支援する。支援額など具体的な内容は今後詰める。自治体分は通常、市町村が負担するが、県は県費で補助する方針を示している。

 また、内閣府は住宅の被害判定に関し、台風後の降雨による被害も積極的に考慮するよう県内の自治体に20日付で通知。強風で屋根が飛び、その後の大雨で屋内が水浸しになったようなケースは半壊以上の判定となる。

 住宅被害に対する国の支援制度は、災害救助法に基づく住宅応急修理が「半壊」以上、被災者生活再建支援法に基づく支援金支給は「大規模半壊」以上が要件となるが、安倍晋三首相は「最大限の工夫」を赤羽一嘉国交相に指示していた。

 内閣府によると、全壊には300万円、大規模半壊には150万円を上限に被災者生活再建支援金が支払われる。大規模半壊と半壊には災害救助法により最大58万4千円分の工事費が現物支給される。

 国交省によると、一部損壊への防災・安全交付金は、山形県沖を震源とする6月の地震で同県鶴岡市の瓦屋根修理での公費負担40万円のうち、半額の20万円を補助した例がある。いずれも、支援を受けるには罹災(りさい)証明の申請をして被害認定調査を受ける必要がある。

 住宅復旧を後押ししようと、県はきょう25日から、鋸南町役場に住宅被害相談窓口を設置する。建築士が住宅の修理や再建などの相談に無料で応じる。午前9時から午後5時までで、土日も受け付ける。設置市町村は順次拡大する方針。

 県内の住宅被害は24日午後4時現在の県集計で、全壊も101戸、半壊も1277戸に上っている。