BSL4 中止求める反対住民 長崎大などを提訴 長崎地裁

 長崎大が長崎市の坂本キャンパスで建設中の感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL4)」について、周辺の反対住民らが24日、同施設の研究計画差し止めや、施設の設計図面などを黒塗りにした処分の取り消しを同大と同市に求める訴訟を長崎地裁に起こした。
 原告は、周辺住民や市民ら2269人でつくる「BSL4施設計画の差し止めを求める会」(山田一俊代表)と、同会の役員3人。 訴状などによると、BSL4施設からウイルスなどが漏れると、住民は感染して命に関わる健康被害が生じると指摘。同大や設置計画に同意する市は着工後も原告が求める情報を明かしていないとして、住民は憲法上の幸福追求権や人格権、知る権利が侵害されるとしている。同大には建設中の建物をBSL4施設として活用しないよう、同大と市には設計図面や排水、排気の情報などを開示しなかった処分を取り消すよう求めている。
 同会は病原体の入手方法や事故発生時の避難計画などの情報開示を求める別の訴訟で同大などと係争している。市役所で記者会見した山田代表は「大学側は事故発生時の避難計画などを住民に提示しないまま着工しており、計画の中止を求めた」と語った。
 同大と同市はそれぞれ「訴状を確認していないのでコメントは差し控える」としている。

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