DeNA、2017年組は10選手中9選手が1軍に 12球団ドラフト“当たり年”を探る

DeNA・東克樹【写真:荒川祐史】

ドラフト戦略が奏功し、ラミレス監督が就任してから4年間で3度目のAクラス入り

 10月17日に迫ってきた「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」。都内のホテルで行われるプロ野球界の一大イベントは、各球団にとって来季以降、そして3年、5年後のチーム編成に大きく関わってくるだけに、是が非でも有望な若手をチームに招き入れたいところだろう。

 数年後のチーム作りを左右することになるドラフト。毎年、各球団は5人から多くて10人ほどの若手選手を指名する。ただ、それが結果的に“当たった”かどうかは、数年後になってみないと分からない。そこで過去10年のドラフトを振り返り、各球団の“当たり年”を探ってみたい。

 今回はセ・リーグで2位に入り、2年ぶりのクライマックスシリーズ進出を決めたDeNAだ。

 1998年を最後にリーグ優勝から遠ざかっているDeNA。21年連続V逸と悔しいシーズンが続いているが、2017年には3位から日本シリーズに進出。2008年から2015年は8年連続でBクラスだったが、今季は2位が確定し、アレックス・ラミレス監督が就任してからは4年間で3度目のAクラス入りとなった。

 近年の好成績は指揮官の手腕、ロペスやソトら的確な外国人補強、選手の成長とともに、ドラフト戦略が功を奏していることも大きな要因の1つだろう。特に、ここ5年間の成果は目覚ましい。

 2014年には1位から3位で山崎康晃投手、石田健大投手、倉本寿彦内野手、7位で飯塚悟史投手が入団。2015年には1位で今永昇太投手、3位で柴田竜拓内野手、4位で戸柱恭孝捕手が、2016年も浜口遥大投手や京山将弥投手、佐野恵太内野手らが加入し、戦力となっている。

2017年は東、神里を筆頭に9選手が今季1軍でプレー

 その中で2017年のドラフト組は指名された10選手のうち9選手が、今季1軍でプレーしている。これは他球団を見渡しても、珍しいことだ。

【DeNAの2017年ドラフト】
1 東克樹 7試合4勝2敗0S0H 3.76
2 神里和毅 122試424打数118安6本35点 .278
3 阪口皓亮 3試合0勝1敗0S0H 5.87
4 斎藤俊介 16試合0勝1敗0S0H 5.76
5 桜井周斗 13試合0勝0敗0S0H 5.52
6 寺田光輝 1軍出場なし
7 宮本秀明 1試0打数0安0本0点 .000
8 楠本泰史 38試72打数15安1本6点 .208
9 山本祐大 12試11打数4安打0本0点 .364

育1 中川虎大 1試合0勝1敗0S0H 4.50

 ドラフト1位の東は今季、故障に苦しんだものの、1年目の昨季は11勝をマークし新人王に輝いた。2位の神里は外野手として今季99試合にスタメン出場し、レギュラーに近い。阪口、斎藤、桜井はいずれも今季1軍デビュー。阪口と桜井はまだ高卒2年目で、今後の成長にも大きく期待できる。

 宮本、楠本、山本の3人も出番は限られていたものの、1軍の戦力となり、支配下登録を勝ち取った中川も1軍のマウンドを経験した。野手33人のうち26人、投手37人のうち31人を1軍で起用したラミレス監督ではあるが、その中でも2017年ドラフト組が上々の成果を上げている。

 山崎が加入した2014年や今永の2015年もチームの核となる選手が加わり、重要なドラフトとなっているが、これほどまでに多くの選手が1軍でプレーする年もなかなかに珍しいのではないだろうか。(Full-Count編集部)

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