私道通行で所有者と住民が対立 長崎市青山町の団地内

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道の所有者が封鎖に向け設置しているブロックや立て看板=長崎市青山町

 長崎市西部の青山町の団地内を通る私道の通行権を巡り、所有する福岡県の不動産管理業者と、地元自治会が対立している。業者は車両通行料の支払いを求めており、折り合いがつかなければ10月1日にも道を封鎖する方針。住民側は、道を通る前提で家を建てたことや、長年普通に通ってきたことを挙げ現状維持を主張し、封鎖されれば法的措置も視野に入れている。

 私道は青城自治会(田中憲一会長)内を通り、延べ面積は約3700平方メートル。隣の青山町自治会(市山芳樹会長)などの住民にとっても周辺へ抜けるために不可欠な道となっている。
 市土木総務課などによると、団地は1960年代後半以降を中心に開発された。都市計画法では、71年度以降に開発が許可された団地内の道は原則、市道となるが、それ以前の開発許可分については、私道のままとなっている団地が多い。通行権を巡る大きな問題は現時点でほかに「把握していない」(同課)という。
 青山町では今年春以降、問題となった。それまで道を所有していた業者の会社整理に伴い、現在の業者が所有者となった。当初は住民側に道の買い取りを提案。現在は車の有無により1世帯で月額数千~1万円程度の通行料を支払うよう求めている。しかし住民側と折り合いはついていない。
 業者は封鎖する場合「緊急車両以外の車両通行を禁止する」としている。タクシーや福祉車両、宅配業者、ごみ収集車なども対象とする考え。道の出入り口となる場所にブロックや立て看板を設置するなど封鎖に向け準備を進めている。
 封鎖すれば青城自治会では車の出入りができなくなる。青山町自治会側にはほかに市道などがあり、市が拡幅工事を進めているが、軽自動車がようやく通れる道幅しか確保できない。
 封鎖は100世帯以上に影響する見込みだ。住民の会社役員、犬塚勝利さん(56)は「近くで新たに駐車場を借りた。ほかに車を小型車に買い替えた人もいる」と既に影響が出ていると明かす。「道は長年、使われてきたのに、それをひっくり返すとは」と憤る。
 業者は「これまでが『なあなあ』だっただけだ」として、通行料の請求は正当だと主張している。
 21日、住民約70人が集まり対応を協議し、通行料は払わないことを総意とした。「みんなで力を合わせないと解決しない」との声も上がった。